Introduction Workshop

This workshop was held on April 19, 2014 as the first workshop of the 2014 summer term.

There were two workshops that students participated in.

First was the ‘Interview and Introduction’ workshop.  After making pairs, they interviewed each other and took a photo of each other. Finally, they uploaded their partner’s introduction article to the GDWS Facebook page.

Second was the “Paper Tower” workshop. After dividing into groups, they took part in a small competition. The rules were simple: Which group was able to make the highest tower with 30 sheets of A4 paper and double-sided tape in seven minutes?

They learned about the PDCA (Plan-Do-Check-Act) cycle and ways of sharing ideas with each other.

企画の背景

2014年度最初のワークショップであり、WS A〜Cのいずれにも当てはまらない「イントロダクション」イベントとして開催。GCLの特に新入生はその大半がワークショップ未経験者であるため、「ワークショップの典型的なイメージ」を共有するためのものという位置づけである。そこで、小さなワークショップを2つ組み合わせ、「内容深化型」「目的追求型」の異なる形式を同時に体験してもらう形式で企画を実施した。

まずは、初対面同士で互いのキャラクターを把握し合う「人物取材ワークショップ」。これは、一つの内容についてある程度時間をかけて深く追求し、ぱっと思いつくアイデアのレベルから一歩踏み込んだ問いかけへと誘う型式のワークショップである。次に行なわれた「ペーパータワー」では、3人ずつのグループに分かれ、主にA4用紙を用いて、制限時間内にできるだけ高いタワーを造るという課題に挑戦した。アイデアを全体でシェアし、さらに創造的に発展させるプロセスを経験できる内容であり、全員の目的を1点に集中させて目的を効率よく達成することが主眼となっている。

どんなワークショップ?

*合計4時間の開催時間の中で、2種類のワークショップを開催。

まず、他のワークショップと同様、イントロからゴールへ到達するまでのおおまかな流れを確認した。その後「1.取材WS」の目的とルールの確認を行なった。今回はルール設定として「学部や専門といった肩書きを人物紹介の中心としない」ことを課した。通常だと、肩書きによって人物像が想像しやすくなるが、逆に肩書きの紹介が、人物そのものに迫ることの妨げになることも考えられる。取材後に記事を作り、取材した側/された側から双方に校正を行ないFacebookへ記事を投稿した。

*休憩を挟み、ヘルシンキからご参加いただいたカリハンス・コモネン氏から、アールト大学でのワークショップについてショーとレクチャーが行なわれた。手早く作り、評価をし、再製作するというプロトタイピングの手法や、社会デザインの概念など貴重な話を聞くことができた。

*その後、「2.ペーパータワーWS」を行なった。3名1組のチームで、7分以内にA4用紙30枚、両面テープ、はさみといった素材でどれだけ高いタワーを作れるかという競技を実施。チーム内でとにかく手早く方針を取りまとめ、制作しながら手法の検証をすることがポイントであった。紙を小さく丸めて固い芯材を作るチームや、3角柱をつくって重ねていくチームなど、手法はバリエーション豊かであった。このワークショップでは、必ず同内容を2回繰り返す。1回目の結果を全員でシェアして、その上でさらにアイデアを練ることで、観察や仮説の立て方、検証の方法など、モノづくりのプロセスがコンパクトに体験できるワークショップとなっている。

*最後に全体の振り返りとして「メタリフレクション」を行なった。これは、「本日のワークショップがどんな意識でデザインされていたか」を開示するもので、GDWSで学んでほしいコンセプトを示す意味があった。

プログラム

10min

講師自己紹介

5min

「1.取材WS」イントロとゴールの確認

10min

本日のゴールと流れの確認

5min

取材ルールの説明

30min

ペアごとに取材、撮影

30min

記事執筆と校正投稿

10min

まとめ

10min

休憩

30min

ゲストスピーカーによるアールト大学でのワーク
ショップ活動の紹介

10min

休憩

10min

「2.ペーパータワーWS」めざすゴールと流れ
の確認

20min

タワー制作、その後評価とシェア

20min

再びタワー制作、評価とシェア

20min

WSの感想共有とまとめ

20min

本日全体のまとめとメタリフレクション

ワークショップの成果

・本ワークショップの主眼は、ワークショップという学びの手法について知らない学生に対して、まずは経験の渦中に飛び込んでもらい、「体験を通じた学び」を感じとってもらうことである。今回実施した2種類のワークショップは、いわば「内容深化型」と「目的追求型」であり、その型の違いなどについても紹介できた。

・また、メタリフレクションを行なったことにより、こういったワークショップが「設計(デザイン)の対象」であることも伝えることができた。たとえば、ワークショップの導入にあたるイントロダクションも、挨拶から自己紹介、ワークショップ目的の共有やアイスブレークといった様々な要素から成立しており、それぞれの要素が同じであってもその順序や時間的長さの比率によって体験者の心持ちは変わってくる。体験そのものをデザインしていき、参加者が最終的に何を学び、どんなことを手に入れることができるかがイメージできるようになれば、ワークショップ・デザインの第一歩が踏み出せたことになる。

ふり返り

・GCL GDWSのWS A〜Cという課程の中で「ワークショップ・デザイン」について学ぶということは、同時に非常に短い手順でワークショップ手法を身につけなければいけないことを意味する。ワークショップ・デザインについて学ぶことには、知識として伝達できる技法や細かなテクニックといった要素部分がある一方で、実際に自分が設計したワークショップに参加者を招き入れ、想定通りにいかないことの改善策を練りもう一度挑戦するといった学びのプロセスを経験した上で手に入れる、ある種の身体感覚や運動神経のような知という側面もあるからだ。本ワークショップに参加した学生が、GCLの履修過程でワークショップ・デザインについて学ぶということがどのようなことなのかを理解できたかどうか——このことを確認するために、今後数年のプロセスを丁寧に見守る必要があるだろう。

アイテム

A4コピー用紙
両面テープ
はさみ

開催日時

2014.4.19(土)13:00-17:00

場所

東京大学本郷キャンパス工学部2号館9F・92b教室

参加者・人数

参加人数:18名
総合教育科学5名、経営専攻2名、都市工学1名、
電気系工学2名、健康科学・看護学1名、公共健康医学1名、
数理情報学1名、知能機械情報学1名、創造情報学1名、
公共政策学1名、農学国際1名、学際情報学府1名

講師/ファシリテーター

会田大也
(東京大学大学院GCL GDWS特任助教)
ゲストスピーカー:Kari-Hans Kommonen
(Aalto University, Research Group Director)

原稿執筆:会田大也