Cities that Nurture Kids’ Intelligence

Mr. Shijima has been studying the characteristics of houses that nurture kids’ intelligence. He wrote a book about it.
In this workshop, at first he introduced the characteristics of houses that are good for children and pointed out the importance of communication within families.
After that, students divided into two groups and had a discussion. The themes were as follows: 1) What abilities are important for children? 2) How can a city foster those abilities? 3) How can we change a city for children?
Students did PowerPoint presentations, and the lecturer and facilitators commented.

企画の背景

 今回の講師は、長年「頭のよい子が育つ家」を研究し、成果をまとめた著作を出版している。同書には、家の内部の間取りや設えの工夫等が書かれている。では、「まち」で考えてみるとどうだろうか?
 今回は、21世紀を生きるこれからの子どもに必要な能力はどのようなものだろうかということを考えた上で、そうした能力の向上に、まちはどう貢献するのかについて考えるワークショップとした。
 WSの主な狙いは二つあった。第一に、多様な立場の人と創造的に議論をする力を身につけること。第二に、人間が育つ環境としてのまちについて考えることを通じて、さまざまな視点でまちを読み解く力を身につけること、である。

どんなワークショップ?

 まず講師から、「頭のよい子が育つ家」についてレクチャーをしてもらった。家族と子どもとのコミュニケーションの大切さ等について指摘があった。
 その後、二つのグループに分かれて、「頭のよい子」が育つまちのあり方を議論した。具体的には、以下の3点について議論を促した。これからの時代を担う「頭のよい子」とはどのような能力を持つ子なのかを定義せよ。そうした能力の向上に、育つ環境としてのまちはどうのように影響するのかを考察せよ。「頭のよい子」が育つまちにしていくために、まちをどのように改変していけばよいか考察せよ。注意点として、まちという物的な環境としての空間以外に、そこにいる人々やその営みを支える社会制度や技術なども含めて考えてよいということを挙げた。
 発表はパワーポイントを用いて行い、まとめとして講師やファシリテーターからコメントをした。

プログラム

15min

趣旨説明

30min

講師によるレクチャー

10min

質疑応答

180min

グループ作業

60min

グループ発表・議論

10min

まとめ

ワークショップの成果

学生は、各自の専攻する学問と自分の人生経験を踏まえながら、議論を展開させていた。
1班は、頭が良いことによって究極的に目指すのは「人生を楽しめることと幸せであること」と定義し、「まち全体を子どもの学びと遊びの場にすること」「大人たち自身も子どもを育てることを通じて人生を楽しむ。また、職業生活にも地域での活動を持ち帰り、活かす」ことを掲げて、中間的な場の創出やワークライフバランス等の提案をした。
2班は、頭の良いことを「1. 相手の考えを尊重できる、2. 自分の考えをもつことができる、3. 自分の考えを表現することができる」と定義。世代間コミュニケーションの場の提案、意思決定の場の透明性について言及した。

ふり返り

2班とも短い時間のなかであったが、発表はよくまとまっていたように思われる。特に1班については、講師から「目的・手段の関係を適切に考えてくれた」、つまり「幸せにいきる」ための方法が「頭の良い」ことであると改めて認識できたと評価された。また、ファシリテーターからは、「楽しむ、ということに社会的価値を見出したことにこのチームの特徴がある」と評価された一方で、「楽しむだけじゃなくて、つらさ、ということも見せたほうがよいのではないか」という指摘もあった。
今回のテーマは、さまざまな専攻の学生がイメージを共有しやすく、議論がしやすいテーマであるように思えた。引き続き何らかのかたちで展開させていきたい。

アイテム

模造紙、付箋、ペン

開催日時

2015.9.26(土)13:00 - 18:00

場所

東京大学工学部14号館141教室

参加者・人数

7名
GCLコース生6名(電子情報学1、学際情報学1、コンピュータ科学1、システム情報学1、健康科学・看護学2)、GCLコース生外1名(都市工学)

講師/ファシリテーター

講師:
四十万靖(一般社団法人四十万未来研究所、『頭のよい子が育つ家』著者)

ファシリテーター:
浅見泰司(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 教授)
後藤智香子(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 特任助教) 

原稿執筆:後藤智香子