The First Step of a Workshop

This workshop demonstrated the basics and principles of workshop design for

beginners.

 

First, participants experience a small workshop about art appreciation facilitated by Project Assistant Prof. Daiya Aida. Next, after the workshop, Aida showed a script of the workshop experience. Not only the dialog, but also detailed information such as its intention and schedule were included in the script. Students deepened their understanding of workshop design through a discussion. By the end of this workshop, the students had a better idea of how to design their own workshop.

企画の背景

ワークショップ初学者のための体験会と、ディスカッションを兼ねた内容。GCLに入るまでワークショップを体験したことがないという人を想定して、まずはワークショップを体験してもらう。ワークショップが単なるディスカッションや体験会ではなく、ある意図をもって設計され、その上で参加者が創造的な関わりをもち、結果としてサブジェクトに対する知見や思想を深める場であることを知ってもらうためのものである。

どんなワークショップ?

まずは小さな「ブラインドトーク」というワークショップを参加者に体験してもらうことからスタートした。スクリーンに投影された絵画にを、2名1組で鑑賞するという内容である。ただし、片方は作品を直接観ることができない。そのためもう片方の鑑賞者が「言葉によって作品を説明して伝達」する必要がある。絵画という具象的なオブジェを、抽象的な言語によって伝達する。観ることができないほうは相手に質問しながら、言語によって絵画を鑑賞することになる。結果として、もう一人はぼーっと作品を観るだけではなく、子細な部分も逃さず観ようとする。また、当たり前に見えていると思っているがゆえに説明を省いてしまったことなどを指摘され、相手の立場に立って言葉を尽くすということの意味を知る。これを役割を入れ替えて実施した。他に、「ヴィジュアルシンキング」という対話型鑑賞のワークショップや、「映画を2回観る会」というワークショップを立て続けに体験してもらった。

そして、それぞれのワークショップを行うたびに、これらのワークショップがどのような台本によって進行されていたのかを種明かしするメタリフレクションを行った。何となく進行していたのではなく、実は参加者の体験が設計された(デザインされた)ものであることを伝える。つまり、ワークショップを開催するということは、時間軸に沿った体験のデザインを行う必要がある、ということを伝える内容となった。

プログラム

10min

イントロダクション

30min

「ブラインドトーク」

10min

メタリフレクション

30min

「ヴィジュアルシンキング」

10min

メタリフレクション

30min

「映画を2回観る会」

10min

メタリフレクション

20min

全体のまとめ

ワークショップの成果

成果物を制作することはしなかったが、「体験→メタリフレクション」ということを繰り返した結果、各々の学生に対してワークショップがある方法論によって設計されていることを伝えることができた。今後参加した学生が自分でワークショップを実施する際に、スクリプトと呼ばれる台本を事前に練り込んだ上で、進行しながら参加者の顔ぶれによって機転を利かせたアドリブもこなしていけるようになれば、このワークショップは成功と言える。

ふり返り

ワークショップは「知のコピー&ペースト」ではない、ということを伝えるために実施したが、このワークショップ自体がワークショップデザインの方法論を伝達するために開催されたため、ある意味では「コピー&ペースト」という型にはまってしまったことは否めない。ただ、ワークショップについて理解するためのはじめの一歩としては、こういった内容になることはある程度致し方ないものと捉えるしかない。

アイテム

ノート、鉛筆、プロジェクタ、PC

開催日時

2018.5.19(土)、6.16(土)

場所

東京大学本郷キャンパス 情報学環オープンスタジオ

参加者・人数

計22名
(総合教育科学専攻、都市工学専攻、農学国際専攻、健康科学・看護学専攻、公共健康医学専攻、電子情報学専攻、知能機械情報学専攻、創造情報学専攻、学際情報学専攻、社会医学専攻、マネジメント専攻)

講師/ファシリテーター

水越伸(東京大学大学院情報学環 教授)
会田大也(東京大学GCL GDWS 特任助教)

原稿執筆:会田大也