Portrait of your friends

The aim of this workshop is to give the participants an opportunity to bodily understand the various dimensions of media practice. Participants were asked to form a pair and create a portrait of each other, which must contain a picture and a brief introduction of the interviewee, as well as a title of the piece.
Through the process, participants experienced many perspectives: performing an interview, taking pictures, deciding what to write and how best to present it, selecting the best photo of the interviewee and coming up with a good title.
Meanwhile, the same person also became an interviewee and provided some information about him or herself, but it was not until he or she saw the ongoing manuscript or the finished product that they realize that only a part of what they talked was included in the article. By becoming the interviewer, interviewee, photographer, writer, editor and the receiver of information, participants were expected to realize that there are many intentions behind the information they encounter.

企画の背景

このワークショップは2019年度S1タームに開講された学際情報学府「Media Practice II (メディア表現論II)」および情報理工系研究科「グローバルデザインワークショップ」にて行われた3つのうち2つ目に行なったものである。受講者には文系と理系が混ざっており、また多国籍なメンバーでもあったので、出来るだけ彼らが取り組みやすいメディア・リテラシーのエッセンスを含んだワークショップを計画した。
グループワークであった他の2つと違い、このワークショップはインタビューと写真撮影のところ以外は参加者がそれぞれに作業を行なった。

どんなワークショップ?

参加者は2人1組になり、1枚の写真と短い文章でパートナーを紹介するタイトル付きのポートレートを作ることが課された(『AERA』の表紙の人の巻頭インタビューのようなもののイメージ)。提出は1週間後の授業前とした。2回目となった講評会ではペアごとに作品をスクリーンに表示。参加者は授業中にお互いのインタビューをしはじめ適当なタイミングで写真撮影を行った人もいたが、授業外の時間に会って改めてインタビューと撮影をした人が少なくなかった。ポートレートを作るプロセスを通じて、自分たちが接する情報はいろんな判断が働いた末のものであり、そこには様々な意図があることに気づいてもらうことをねらいとした。

プログラム

4月18日(1回目 105分)
10min

ワークショップの説明(AERAの表紙を複数投影するなどポートレートのイメージ、添える短文についての説明)

5min

2人1組を組む

90min

インタビュー・写真撮影開始

(時間内にインタビューが終わらない場合は授業外の時間を使う)

個別に作品を完成させて、提出(4/25授業前までに)

4月25日(2回目 105分)

作品の発表と講評

ワークショップの成果

A4サイズ1枚にインタビューしたパートナーの紹介を作成し主にPDF形式で提出。講評の際には作品をスクリーンに大きく投影した。
ポートレート写真のサイズ、記事の長さやレイアウトは個性に富んでおり、雑誌や新聞の記事風のものもあれば、手書きのスケッチブックのような作品、また小さめの写真にインタビューをエッセイ仕立てにしたものもあった。

ふり返り

誰かをインタビューすることは相手が初対面の人であっても仲良しであっても実際に何をどう聞くかは簡単ではないし、またインタビューされる側となれば質問にどんな風に答えるかも悩ましいものだろう。このワークショップに参加した学生たちは専攻分野も国籍も異なる者がほとんどだったため、ただでさえよく知らない相手を英語でインタビューしあい、なおかつ英語で紹介文を書くという複数の挑戦に挑むことになった。一連のプロセスは取材する、記事を書く、1枚に写真と記事をレイアウトするという送り手としての経験と、取材され、自分が他者によって表現されるという取材される側の経験、更には講評の中で自分の作品や他者の作品がどのように受け取られたかを知るという、複合的なメディア体験となったと思われる。講評の際には他の人の作品の意図を聞いて関心したり納得するような反応もあったが、ワークショップを通じて自分たちが接する情報の裏にある意図への気づきを得るきっかけになっていればと思う。
一方、短い記事で表現するという条件だったのが、単語で紹介するものから長い文章やエッセイになっていた例もあった。これはそれぞれの英語力の違いで生じたというよりも、こちらが意図した「雑誌で見るようなポートレート」のイメージが参加者に十分に伝わらなかった故なのかもしれない。情報をあるフレームワークの中で伝えることを経験してもらうためには、ワークショップのデザインにさらなる工夫が必要であろう。

アイテム

パソコン・スマートフォン

開催日時

2019年4月18日、4月25日

場所

東京大学本郷キャンパス 福武ホールB2 第1演習室

参加者・人数

合計17名                                          学際情報学府 11名(研究生2名含む)
情報理工学科 6名

講師/ファシリテーター

水越伸(情報学環教授)・神谷説子(博士課程、TA)

原稿執筆:神谷 説子