Self-Image Design Workshop

The global spread of digital cameras has brought about deep changes to the
public’s consciousness of self-image. As SNS proliferation continues, this goes
without saying.
In this workshop, which was held in September 2015, all participants
introduced themselves. Participants then had to comment on four different
images of each other: an ID card photo, their favorite self-portrait, a photo
shot by friends, and their least favorite self-portrait.
When the workshop was over, all participants took part in a meta-reflection.
The meta-reflection was arranged to see how well the workshop had gone.
We discussed the workshop’s design and how it functioned from an experience
design perspective.

企画の背景

 このワークショップは、「自己像」をモチーフとして、「メディア社会における自己イメージ」について考察をしてみる内容である。
 シチュエーション別に4種類の自分の写真を撮影し、参加者同士で互いに感想を交換した。「自己イメージ」と一言で言ってもそこには様々な様相があり、最終的に「自分という人間は、周囲にこのように見られたい」という思いも反映されたものが流通することになる。そのことと共に、ワークショップでは、他者が持つイメージは必ずしも自己イメージとは一致しないこともある、ということも併せて認識することとなった。
 この背景には、人と社会が直接繋がるネットワーク時代における「セルフイメージ」という問題がある。自分はどのように見られたいのか? 実際には他人の目に自分はどういうイメージで受け取られているのか? そして、それらがソーシャルネットワークの中を流通していくことで、どんな情報がやり取りされることになっているのか? ワークショップは、このような問題意識を共有できるよう設計した。

どんなワークショップ?

 下記4種類の「セルフポートレート」を撮影し、スクリーンに投影しながら、参加者全員でコメントを述べ合うというハンズオン*を行なった。
—a. 身分証明書の写真
—b. 自分で撮影した気に入った写真
—c. 他の人が撮影した、「他の人から見た、私らしい」写真
—d. 自分で撮影した、他人に見られたくない写真
 複数種のセルフイメージと向き合うことで、それらの違いを認識してみるワークショップとなっている。
 dの「他人に見られたくない自分」の発表は、自分の見た目のコンプレックスと向き合い、そのことについて語らなければならない。参加者にとってはつらい経験のはずである。また、cの「他人から見た、私らしい」写真とは、往々にして本人の自己イメージとずれていることが多いが、そのギャップ自体を知ることが一つの目的となっている。
 また、WS A Smallとして開催しているため、「このワークショップはどんなテーマ設定と構成によって成立しているのか」を確認するための「メタリフレクション」を行なった。

*自分の手で何かしらの作業を行ないながら、物事を理解したり表現したりすること。ワークショップのメインの活動となる

プログラム

10min

イントロ:自己イメージの定義

5min

本WSのゴールと流れの確認

10min

 必要なツール類(携帯、タブレット、パソコン)の説明と画像のテスト送信

10min

ハンズオン1:身分証明書写真の投稿。公共のイメージの感想共有

15min

ハンズオン2:自分のお気に入り写真の投稿。自己イメージの感想共有

20min

ハンズオン3:他の人に撮影してもらって投稿。他者イメージの感想共有

20min

ハンズオン4:気に入らない自分の写真の投稿。見られたくないイメージの感想共有

10min

リフレクション:全体の感想の共有

10min

メタリフレクション:ワークショップ構造について考察する

10min

ラップアップ:まとめ

ワークショップの成果

第一の段階として、ワークショップのテーマであった「現代の自己像」について、体験を伴って議論をすることができた。
第二の段階として、メタリフレクションを通じて、「体験を伴うワークショップという技法」が、どんなことを実現することができるのか、実感とともに確認してもらうことができた。

ふり返り

このワークショップは、インターネット時代の自己像というテーマで議論を深めようと全体を設計した。ワークショップにはそれぞれ個別のテーマがあり、参加者が参加することによってそのテーマを知り深く検討してみるという側面がある。ワークショップを設計する際には、「あらかじめ設定したテーマに迫るために、参加者はどのような体験を積み重ねるべきか?」という視点で、導入やハンズオン、ラップアップといったシーンを構成していく必要がある。最も素朴な形式としては、テーマと論点を紹介し、各自グループ討論を行なうような形式もあるが、手や身体を動かす具体的な作業を介入させることによって、抽象的な思考だけでなく、より具体的で身体的な「体験のデザイン」が可能になる。このワークショップは、「自分を撮影し、他の参加者と共有し、感想を交換する」という行為を通してみないと持ち得ない視点が生まれる、という設計になっている。
さらに今回は、ワークショップ終了時に行なった「メタリフレクション」でこうした話題に触れたことにより、参加者たちに「体験をデザインする」ことがどんなことなのか、ワークショップデザインの入口に立ってもらうことができたのではないかと思う。

アイテム

写真が撮影できる携帯電話、タブレット端末またはPC

開催日時

2015.9.27(日)13:00-15:00

場所

東京大学工学部2号館 93B教室
(必要な条件:通常の教室、および教室外にも写真を撮影しに行ける場所)

参加者・人数

GCLコース生4名(情報理工1、知能機械情報学2、学際情報学府1)

講師/ファシリテーター

会田大也(東京大学大学院GCL GDWS 特任助教)

原稿執筆:会田大也