Heartfelt Rural Planning for Iitate Village 2017: MAKIBANOHANAZONO Project

There was a serious nuclear power plant accident in 2011 in Japan Fukushima prefecture. Iitate village is one of areas which have been suffered from a that accident because of its radioactive contamination. We have discussed restoration of Iitate village since 2012 in this series of group works.

Last year’s member focused on a man who had decided to live in his own house in Iitate village in spite of the evacuation instruction from government. He likes flowers, so he has been planting a lot kind of flowers and trees like rose, cherry blossoms, narcissus, etc in his garden, which was farm land. And, they was proposed design of this flower garden. After that, they keep on doing for making flower garden. But, it is problem about sending information for attaining of their goal.

In this group work, we speculated about the way which can accomplish Mr. Ohkubo’s hope. We tried to make it sustainable using ICT. And, Topic is how to send information. We had gathered together and discussed a lot at least once a week. We also visited Iitate village in this group work to show Mr. Ohkubo our fruit of our group work.

企画の背景

これまでのグループワークでは、福島第一原子力発電所事故による放射能汚染のために計画的避難区域に指定された福島県飯舘村を対象に活動を行ってきた。昨年度は、避難指示を受けながらも飯舘村の自宅に帰って生活する決断をした大久保さんのガーデニングデザイン案を考えた。そのデザイン案は「思いもつかないほど、素晴らしいアイディアばかりです。ぜひ実現させてください」と大久保さんに大変賞賛された。昨年度の受講生7名はワークショップ終了後も「大久保さんの力になりたい。計画だけでは終わらせない」という思いがあり、グループ名を”いいはな”とし、活動を継続させている。具体的に、案の中で特に好評であった飯舘花壇(飯舘村の形をした花壇)の作成に取り組んでいる。
今年度の受講生は7名おりおもに「外部への情報発信」というテーマを設定し、ワークショップを進めた。いいはなのメンバーや大久保さんへの聞き取りを通して、外部への情報発信に課題を感じたためである。週1回以上のミーティングが行われ、時には大久保さんとテレビ通話を行いながら議論した。考案したものの実施やプレゼンするために飯舘村での合宿も行った。

どんなワークショップ?

飯舘村に暮らす協力者の大久保金一さん(以下、大久保さん)は、避難指示を受けながらも自宅に帰って生活する決断をした。大久保さんは花が好きで、桜やバラ、その他の草木の植栽を進めており、多くの人を惹きつけて楽しませるような花園を作りたいと考えている。昨年度のグループでは花園のデザインを提案し、グループワーク後も継続してデザインの実現に向け取り組んでいる。しかし、多くの人を呼び込むという情報発信の点に関しては欠けていた。
そこで本ワークショップでは、大久保さんの希望が実現するような情報発信の手段について熟考した。ミーティングは週1回以上行われた。大久保さんへの聞き取りや現場の調査、グループワークの成果をプレゼンするために飯舘村を2回訪問した。

プログラム

10.21 

第1回ミーティング

10.23 

ふくしま再生の会 報告会 参加

10.26 

第2回ミーティング、いいはなへのインタビュー

10.27 

第3回ミーティング

10.28 

特論1 スケジュールの発表、発表後の話し合い

11.1 

第4回ミーティング

11.2 

いいはなミーティングへの参加

11.4 

福島に移動

11.5 - 6 

飯舘村 訪問

11.10 

第5回ミーティング

11.15 

第6回ミーティング

11.17 

パンフ組ミーティング

11.21 

大久保さんとTEL&SKYPE

12.1 

第8回ミーティング

12.3 - 4 

飯舘合宿

12.14 

第9回ミーティング

12.22 

いいはなミーティングへの参加

1.4 

第10回ミーティング

1.6 

レポート 1回目の提出

1.9 

第11回ミーティング

1.10 

いいはなへの発表(テレビ局が取材に来た)

1.13 

特論1 発表

1.20

レポート 最終提出

2.1 

いいはな、フェリス女学院、千葉商科大、復興庁(飯舘担当者)への発表

3.19 - 20 

いいはなとのイベント

ワークショップの成果

大久保さんには「花を愛する人たちに集まってもらいたい」や「花壇を訪れた人たちと花について語り、思い出を作ってほしい」という想いがある。そして、足を運んでくれる人たちの為に、いいはなが花壇を作成している。そのため、いかにして多くの人々が花園へ集まってくれるかを考え、以下の3つのことに取り組んだ。
1つ目はFacebookページ、HPの作成である。より多くの人にマキバノハナゾノのことを気軽に知ってもらうために作成した。大久保さんのお宅を訪問した時の様子や、季節の植物、イベントの様子等について、写真を添えて随時報告をしていく予定である。ページ内ではフォトコンテストを行い、訪問した人に魅力的な写真を撮ってもらい、花園の魅力をより多くの人に知ってもらうことや花園への愛着を深めてもらえるような工夫も考えている。また、ツーショットギャラリーというページを設ける。花園の中のお気に入りの花とともに、大久保さんと来訪者の笑顔のツーショット写真を撮影し、HP上にアップする。個人間でのつながりを強調、笑顔によるHPや花園の魅力をアピール、復興に携わった方々の記録の蓄積が可能となる。
Facebookによって多くの人に知ってもらい、HPによってもっと深く大久保さんや自分たちの活動を知ってもらうこととしている。
3つ目はパンフレット・図鑑の作成である。パンフレットは大久保さん家やその周辺、あるいは私たちの大学周辺に設置する。基本的には、訪問者へのさらなる呼び込みや現場に関する情報および話題を提供するものである。また、大久保さんは彼の庭にある草花をもっと知ってほしいという願いをもっている。そこで、大久保さん家周辺に生育する草花を図鑑という形で少数ではあるがまとめた。大久保さんは既に草花の写真は収集しており、今後は共に図鑑を構築していく。解説には花の名前や開花時期だけでなく大久保さんから伺った思い出のエピソードなどを盛り込んでいく。

ふり返り

昨年に引き続き、このグループワークは精力的であった。昨年の受講生が6月に今年の受講生7名のうち5名に対して、飯舘村を案内したことも理由の一つかもしれない。活動の記録からも分かる通り、始めから昨年の受講生や関係者に何度も聞き取りを行っており、着実に取り組んでいたという印象を受けた。活動は多い時で週3回も行われていた。
11月5、6日に行われた飯舘訪問では、受講生ら自ら飯舘後へ足を運んだ。溝口先生の協力もあり、飯舘村内やマキバノハナゾノでの取り組みや様子をより深く知ることができた。この日を境に「大久保さんに対して、自分たちが何かできることはないか」をより強く考え始めたようにも感じた。訪問後のミーティングでは「我々は今後何をすべきか」、「先輩とのすみわけは?」が議題とされていた。これまで取り組まれてきたことに欠けている点は何か、東京にいる自分たち(受講生たち自身)に何ができるのか、話し合いがその後何度も行われていた。
実際の成果としてはHPおよびFacebookページの作成、定点カメラのデータの可視化、花園のパンフレットや図鑑の作成であった。フォトコンテストや解説に歴史的背景を記載するといった、それぞれに面白い工夫が講じられていた。提出されたレポートには活動を継続したい、関わりを続けたいといった記述も見受けられた。実際に授業の終了後も、今回協力のあったフェリス女学院の学生たちに対し、今回の受講生は発表を行った。3月19,20日に開催される、花園のイベントにも参加予定である。彼らもまた、(実際の成果にて紹介したような)面白い工夫を凝らし、今後も花園の発展に貢献してくれると感じている。頑張っている後輩を筆者は応援していきたいと強く感じさせられた。

アイテム

コンピュータ、コピー用紙

開催日時

2016.10月 - 2017.3月

場所

東京大学弥生キャンパス農学部7号館B: 231/232教室、福島県飯館村

参加者・人数

7名
GCLコース生1名、GCLコース生外6名

講師/ファシリテーター

溝口勝(東京大学大学院農学生命科学研究科 教授)
林直樹(金沢大学人間社会学研究域人間科学系 准教授)
安島悠(東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程)
石渡尚之(東京大学大学院農学生命科学研究科 博士課程)
上田大晃(東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程)
金子大成(東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程)
岸田崚太郎(東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程)
佐藤聡太(東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程)
芝原直也(東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程)

原稿執筆:佐藤聡太