A Workshop for the Implementation of Mental Health Support Platforms

We have developed a psychological support method that utilizes social ICT. To date, we have applied gamification theory to cognitive behavioral therapy, which was effective for solving mental health problems such as depression and anxiety, and developed web services. The psychology support platform “Kokoro Stretch” integrates various developed web services and provides a place for people to take a multi-layered approach to their own mental health. In this workshop, we will plan and implement a workshop for psychological professionals to facilitate the social implementation of “Kokoro Stretch”.

 

Participants of this workshop first learned about “Kokoro Stretch” as a mental health support platform and experienced it from the standpoint of both therapist and client for one month. Next, we learned about implementing the planned workshop by conducting discussions about the service as a whole and its operations manual. We also learned about workshop implementation for psychological professionals and participated in the planned workshop itself.

企画の背景

企画者のプロジェクトは、社会的課題であるメンタルヘルス問題の解決を目的とし、ソーシャルICT を活用した臨床心理学的支援方法の研究・開発を行なっている。これまで、抑うつや不安といったメンタルヘルスの問題解決の有効性が実証されている認知行動療法に、ゲーミフィケーション理論を加えて、利用者が楽しみながら、自分で自分の心理的問題を解決していくWebサービスを開発してきた。そして、これまで開発してきた多様なWebサービス群を統合し、自身のメンタルヘルスに多側面からアプローチできる場を提供するのが心理支援プラットフォーム「ココロ・ストレッチ」(旧こころの手帖)である。本ワークショップでは、「ココロ・ストレッチ」の社会実装に向けて、心理専門職へのワークショップを企画・実施を行なう。

どんなワークショップ?

参加者は、まずメンタルヘルス支援プラットフォームのひとつとしての「ココロ・ストレッチ」について学び、1カ月間にわたりセラピスト・クライエント双方の立場から体験する。次に、サービス全体と運用マニュアル、さらには心理専門職向けのワークショップ実施に向けたディスカッションを行ない、ワークショップに参加することで、ワークショップの実施について学んだ。

プログラム

1日め (10.10)

趣旨説明

自己紹介

メンタルヘルス支援プラットフォームについての講義

プラットフォーム体験の割り振り

2日め (11.28)

運用マニュアルの改定についてのディスカッション

心理職向けWS実施に向けてのディスカッション

3日め (12.15)

大井葉月による心理専門職を対象としたメンタルヘルス支援プラットフォームWS実施(WS-C)

*期間中、セラピスト・クライエント双方からのプラットフォーム体験を1ヶ月行った

ワークショップの成果

最終的なアウトプットとして大井葉月がWS-C を開催した。

ふり返り

前年度までのワークショップでは、臨床心理学コースでのICT を用いたメンタルヘルス支援プロジェクトと並行し、サービスの開発や効果研究を行なってきた。それらの活動は文理融合かつ学際的なものであり意義のあるものであったが、活動がGCLという枠組みの中にとどまっていたことは否めない。一方で、今回行なったワークショップは、これまで開発し、知見を積み重ねてきたサービスの価値を実際の心理専門職に問い、ICT を用いたメンタルヘルス支援サービスを共に開発・運用していく第一歩となる新しい試みであった。ICT をメンタルヘルス支援はまだまだ一般的なものではないが、対面でのメンタルヘルス支援を補完し、異なった形で役立つ可能性を秘めている。サービスの長期運用を含め、潜在的需要に即した積極的な社会実装を試みる活動が今後盛んになってくることが望まれる。

アイテム

PCまたはタブレット端末、付せん、ホワイトボード

開催日時

2018.10-12月

場所

東京大学弥生キャンパス 総合研究棟演習室

参加者・人数

10名
(総合教育科学専攻7名、健康科学・看護学専攻1名、知能機械情報学専攻1名、学際情報学専攻1名)

講師/ファシリテーター

下山晴彦(東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース 教授)
菅沼慎一郎(東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース 特任助教)
大井葉月(東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース 博士課程)

原稿執筆:菅沼慎一郎