Community PlanningHackathon in the Fujimidai area of Kunitachi City

The “Community Planning Hackathon” is a new kind of approach to collect and utilize physical data around the city through sensors. With the participation of a total of 29 people who live or work in the Fujimidai area of Kunitachi City, which is located in the western part of Tokyo, it also served as an opportunity for the city authority to engage people in the community with the design and planning process.

 

The hackathon is a two-day workshop program with the development of devices in-between. On the first day, participants familiarize themselves with IoT devices by using MESH®︎ and later are asked to think of ideas to utilize environmental data collected from sensors and other devices. Based on these ideas, GCL students then develop combined devices composed of sensors, breadboards, LED displays and microcomputers. On the second day, participants put the parts together, leave the devices on the streets and in parks for a period of time, and, finally, try to draw some conclusions about what should be done in the area from the perspective of community planning.

 

It was found to be a good way to engage local people who had not had an interest in community planning before, and its educative role was confirmed as elementary school children eagerly examined numeric data collected from devices they had made. Though this was an experiment, to improve the procedure in detail and to incorporate “Community Planning Hackathon” into the actual communityplanning process are worthwhile tasks.

企画の背景

東京大学コミュニティアセスメント研究会* では、富士見台地域におけるまちづくりの方針を定めた「国立市富士見台地域まちづくりビジョン」に基づいて、地域の現状を総合的に把握し、様々な政策や取り組みに活かすコミュニティアセスメントの手法を開発・実践するため、国立市と共同研究をしている。

今回は、国立市富士見台地区重点まちづくり構想の策定及びその後のまちづくり活動の実施にあたっての目標設定に資するコミュニティ情報を、地域住民の興味・関心に基づき、IoT を活用して収集することにより、コミュニティ単位の都市計画の新たな方法論を模索する。

なお、本ワークショップは、平成30年度GCL 学生自主企画プロジェクトに採択された「IoT デバイスを用いた多分野型コミュニティアセスメント基盤の構築に向けた実践研究」(代表者:井上拓央)の一環として実施している。

 

*人口減少・少子高齢社会の進展に伴う各種課題について包括的に対応し、解決を図るため、コミュニティの物的及び社会的アセットについて、歴史的経緯、現在時点での価値や意味、将来に向けた可能性や課題について、把握・評価し、施策提言を行う。そして、こうした一連の方法について理論化を図る。代表は都市工学専攻小泉秀樹教授で、社会学、公衆衛生学、視覚デザイン学など多様な学問領域の研究者が参加している。

どんなワークショップ?

第1回ワークショップ:IoT とまちづくりについて学ぶ/ IoT デバイスを使ってみる/測定/アイデアを考えてみる

第2回ワークショップ:デバイスを組み立ててみる/都市空間で実際に測定してみる

プログラム

第1回(2018.11.10)
13:00

挨拶、説明、スタッフ紹介

13:06

グループ内自己紹介、アイスブレイク

第1部:

MESHを使ってIoTを体験しよう

13:18

第1部の説明

13:24

MESH の体験

(休憩)

第2部:

まちを探検して「場所」について考えよう

14:25

第2部以降の説明

14:30

都市の見方についてのレクチャー

14:40

まちあるき

(休憩)

第3部:

まちの情報を集めて活用するアイデアを考えよう

15:35

第3部、センサやデバイスの説明

15:45

個人で考える

15:55

グループで考える

16:25

各グループで発表

16:40

振り返り

16:50

まとめ、今後の予定などについて説明

第2回(2019.1.27)
13:00

挨拶、スタッフ紹介

13:08

グループ内自己紹介

13:15

全体の説明

13:18

マッピング

第1部:

測定方法を考えてデバイスを作ろう(グループごと)

13:40

第1部の説明

13:42

センサ・プログラムの紹介

13:50

センサの性能と空間の印象の関係を体感する

14:05

測定方法を考える

組み立て

14:40

(休憩)

第2部:

データを集めよう

14:50

第2部の説明

14:55

移動

グループごとの測定実施

15:50

(集合・休憩)

第3部:

場所の印象について考えよう

16:00

第3部の説明

16:05

グループ作業

16:40

発表

16:55

講評

17:00

挨拶、閉会

ワークショップの成果

先例がほとんどないワークショッププログラムで、挑戦的な内容であった。しかし、ワークショップを無事に予定通り実施することができ、参加者の子供たちも「楽しかった」と評価してくれたことは、まずはよかったと考える。また、参加者をみてみると、他の「まちづくりワークショップ」とは違った層にアプローチすることができたことも評価できる点である。

各種デバイスに関しては、大人よりもむしろ小学生の方が抵抗なく楽しんでくれたように思う。まちづくりへの展開は今後の課題であるが、デバイスを通じて都市に関心をもってくれることを期待したい。

ご参加いただいた保護者の方々のサポートもあり、小学生のみなさんがセンサの数値に基づいて本質的な考察に到達することができていた。

ふり返り

当日プログラムは2日であるが、事前準備(デバイス準備など)には相当の時間を費やした。

まちづくりの観点からワークショップを設計する都市工学専攻メンバーとIoTデバイスの開発を中心的に担う情報理工学系研究科メンバー、当日参加する他専攻のメンバーの人数構成について、一部の学生に負担が集中しないよう事前によく考える必要がある。

地区内の様々な場所に関して抱いている主観的な印象と、センサ等によって得られる数値情報の共通点と差異を詳細に分析することを通じて、都市の空間計画に新たな方向性を付け加える可能性について実感していただくという点では課題が残った。

アイテム

第1回:MESH、iPad、ワークシート(MESH の紹介、MESHミッション〈課題〉、まちあるき用メモ用紙、センサ・デバイス紹介)、まちあるき用地図、アイデアカード、アイデアシート、アンケート用紙、感想シート、プロジェクター、付せん、油性ペン

第2回:照度センサデバイス(Raspberry Pi Zero WH、MicroSD カード、周辺光ライトセンサ、7セグメントLED ディスプレイ、A/Dコンバータ、ジャンパーワイヤー、ブレッド
ボード)、振動センサデバイス(Raspberry Pi Zero WH 、MicroSDカード、圧電振動ジャイロモジュール、7セグメントLED ディスプレイ、A/Dコンバータ、ジャンパーワイヤー、ブレッドボード)、人感センサデバイス(Raspberry Pi ZeroWH、MicroSD カード、焦電人感センサ、7セグメントLEDディスプレイ、ジャンパーワイヤー、ブレッドボード)、GPS 受信モジュール、超音波測距センサ、iPad、7インチディスプレイ、キーボード、マウス、モバイルWi-fi、ワークシート(場所の印象と活動マッピング、センサ・デバイス紹介、配線図)、感想シート、プロジェクター、色鉛筆、油性ペン

開催日時

2018.11.10(土)、2019.1.27(日)

場所

国立市役所会議室、周辺地域

参加者・人数

第1回
学生8名(GCLコース生6名、都市工学専攻学生1名、知能機械情報学専攻1名)
他大学学生、大学スタッフ3名
教員4名(東京大学3名、武蔵野美術大学1名)
国立市民15名(小学生6名、幼稚園児1名、保護者7名、傍聴者1名)
国立市役所2名

第2回
学生6名(GCLコース生5名、都市工学専攻学生1名)
教員3名
国立市民14名(小学生5名、保護者6名、傍聴者3名)
国立市役所2名

参加したGCLコース生の所属は、都市工学(工学)、コンピュータ科学(情理)、農学国際(農学)、電子情報学(情理)、創造情報学(情理)、公共健康医学(医学)

講師/ファシリテーター

井上拓央(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 修士課程)
後藤智香子(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 特任助教)
真鍋陸太郎(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 助教)
谷川智洋(東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻 准教授)
小泉秀樹(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 教授)

原稿執筆:井上拓央、後藤智香子