The Development of Menstruation-related Symptoms Reduction Program Using “Mindfulness 

The purpose of this workshop was to make a proposal about reduction of menstruation-related symptoms using mindfulness (Mindfulness is the psychological process of bringing one’s attention to the internal and external experiences occurring in the present moment, which can be developed through the practice of meditation and other training). This workshop included five sections held once a week. The first half aimed to promote understandings about menstruation-related symptoms and mindfulness through exercises and homework. In the last half, participants were divided into two groups and discussed about a program based on their experience in this workshop.

As a result, we got two programs for working women. Group A proposed “Mindful Space” in office or school. People can use this space whenever they want to be “mindful.” There is an expert about mental health and many instruments to arouse mindfulness in this space. Group B suggested an application or a portal site which women can use whenever and wherever they want to be “mindful”. The original feature of this service is that women can make their own program which fits their menstruation cycle and share their activity using the chat method.

The last section was “Meta-reflection” time which aimed to show the way to plan and manage workshop. The GCL students who participant this workshop (especially, the fifth section) got the degree of GDWS B.

This was the first trial to consider the effect of mindfulness on menstruation-related symptoms. In the future, we need to collect more data measured by objective scales and to clarify the process of women’s experience about mindfulness in their life in order to achieve the programs which was made in this workshop.

企画の背景

月経随伴症状とは、月経に伴い生じる多様な身体的・精神的症状のことである。これらの症状は学業や就業、夫婦関係や子育てなど、女性の生活にネガティブな影響を与え得る。また、月経随伴症状による社会経済的損失は国内外で報告されており、社会的にも重要な問題である。
 企画者のこれまでの研究では、月経随伴症状に対するマインドフルネスの有効可能性が示唆された。マインドフルネスとは、臨床心理学をはじめさまざまな領域で近年着目されている概念であり、今この瞬間に、意図的に、価値判断なく注目を向ける、という特殊な注意コントロールの技術である。しかしながら、マインドフルネスは長期的な練習を必要とするという特徴を持ち、日常生活への導入に困難があることが指摘されている。
 そこで本WSでは、マインドフルネスを現代女性の日常に取り入れる方法を考案し、月経に伴う困難の低減に有効であるかについて考察することを目的とする。

どんなワークショップ?

本WSは計5回(各回2~2.5時間、第5回のみ約1時間)からなる。前半は月経随伴症状にの理解を促進するワークおよびマインドフルネス体験をメインとした。このマインドフルネス体験をもとに、後半では2グループに分かれ、月経随伴症状低減プログラムを考案した。特に、a)多様であり、周期的・断続的であり、自然な営みに随伴する、という月経随伴症状独自の特徴、b)マインドフルネスの継続の難しさ、の2点を踏まえ、①ターゲット、②時期、③場所、④活動、⑤目標を明確に設定するよう指示した。第4回の後半に、お互いのグループの発表会を行った。
 最終回はGDWS自体のメタ・リフレクションの時間とし、WSの趣旨や実施までのプロセスを実施者から開示した後、GDWS自体に関するディスカッションと自身の参加に対する評価を行った。
 なお、GCLコース生に対しては、最終回のメタ・リフレクションに参加することを条件とし、本WSへの参加をWS Bの単位として認めた。

プログラム

11.5

WSの趣旨確認・自己紹介を兼ねたアイスブレイク、ワーク:月経による困り感マッピング、マインドフルネス・レクチャー①、エクササイズ「レーズンエクササイズ」「呼吸へのマインドフルネス」

11.12

ホームワークの振り返り、マインドフルネス・レクチャー②、エクササイズ「ボディスキャン」「呼吸と身体のエクササイズ」

11.19

ホームワークの振り返り、マインドフルネス・レクチャー③、エクササイズ「3min. breathing space」「音と思考のエクササイズ」、介入プログラム考案①

11.26

介入プログラム考案②、プログラム発表会、アンケート回答

12.3

メタ・リフレクション(WSに関するプレゼンテーション・ディスカッション、WS参加に関する評価)

ワークショップの成果

両チームともに、働く女性のためのマインドフルネス・プログラムが考案された。以下に、それぞれのチームの成果について概説する。
Aチームは、①周囲を気にせず・気軽に・いつでもマインドフルネスを体験できる場の提供、②女性ならではの不調に対する職場の理解・普及を目的に、職場にマインドフルネス・スペースを設置することを提案した。スペースには専門家が待機しており、また五感に訴えるアイテムが置いてある。
Bチームは、いつでもどこでも使用できるアプリケーション・ポータルサイトを提案した。マインドフルネスに気軽に触れられ、実践の継続を促すような機能が導入されている。また、自身の月経周期に合わせたオリジナルのマインドフルネス実践プログラムを組み立てられることも、大きな特徴である。

ふり返り

今回の成果として得られたプログラムは、双方とも本WSの目的である「現代女性の日常生活に即したマインドフルネス」が実現可能な水準で提案されている。これは、WSの前半で参加者のマインドフルネスの理解を適切に促したうえで、臨床心理の専門知識に縛られない自由な発想が具現化されたことによると考えられる。また、考案時間をあえて短く設定したことにより、一般的知識よりも自分の体験に基づいたアイディアが採用されたことも、本WS独自の良かった点だと考えられる。
一方で、ターゲットである月経随伴症状に対するプログラムの効果あるいはマインドフルネス自体の効果について、客観的な基準を用いて測定できなかったことが、本WSの課題である。参加者の主観的な体験としても、マインドフルネス体験によって、今を丁寧に過ごすことの大切さとそれが自身のメンタルヘルスに与えるポジティブな影響に関する感想が得られた反面、自身の月経随伴症状への影響に関しては、本WS中に実感することは難しかったようであった。これについては、WS開催期間が1カ月であり、月経随伴症状に関する効果を実感するには短かったこと、参加者にとってマインドフルネスのインパクトが大きく、月経随伴症状というもう一方のテーマが強く意識されなかったことが推測される。
最後に、今回のWSは、GCLコース生の参加者に対してGDWS Bの単位として認定した。そのため、最終回にはWS自体のメタ・リフレクションと、自身のWS参加に関する評価を行った。これは、本WSの目的上、参加者には運営側の視点を外してWSに取り組んでもらう必要があったため、全てのWSが終了した後に、運営側の視点からWS全体を振り返ることで、自身が今後WSを企画する際のヒントとして役立ててもらうこととした。メタ・リフレクション自体は、WSのまとめとして有効な時間となったと評価できる一方、それまでの活動に対するコース生の参加をいかにWS Bとして求められるレベルまで引き上げるかが課題となった。

アイテム

レクチャー用スライド・配布資料、ホームワーク・シート、ディスカッションのための模造紙・付せん紙、アウトプット用PC端末、模造紙

開催日時

2016.11.5、12、19、26、12.3

場所

東京大学工学部3号館 GCLラボ

参加者・人数

9名
(うち企画手伝い1名)

講師/ファシリテーター

稲吉玲美(東京大学大学院教育学研究科 博士課程)

原稿執筆:稲吉玲美