Workshop for Developing New Applications for New Power Line Communication Technology Using Electric Current

This workshop was held with the aim of discussing what the future of the electric power system should be, and discussing the technologies necessary to achieve that future and how to realize them. Since 100 years ago, the electric power system has reached the present shape by pursuing technological evolution. Due to the recent upcoming IoT/M2M technology, it is becoming possible to add completely new functions to the electric power system. In this workshop, we discuss what functions based on IoT/M2M are necessary for the electric power system and how to realize it. We also aimed to discover new applications for new power line communication technology using electric current, which is the main theme of facilitator’s doctoral research.

企画の背景

 電力系統の未来のあるべき姿を議論し、そしてその未来に至るために必要な技術とその実現方法について議論することを目的として開催した。
 電力系統は100年以上前から、停電をおこさないような安定稼動や伝送損失の低減等を目指し技術進化を重ね現在の形に至った。しかしながら、近年のIoT・M2Mの流れにより、従来では考えられなかったまったく新しい機能を電力系統に付加することが可能になってきている。本ワークショップでは、電力系統にどのような機能が必要か、またそれをどのように実現するかを議論する。
 その中で、ファシリテータの博士研究の主たるテーマである、電流を用いた新しい電力線通信技術の持つ特徴を生かした、新しい応用先を発掘することも目指した。

どんなワークショップ?

 ワークショップの参加者は、電力線通信ならびに電力系統に関わる研究に携わっており、基本的な知識は持っている状態であったため、座学や概要に関する議論は行わなかった。一方で、ファシリテータの研究を含めた近年の新しい技術トッピックや海外での要求などについて互いに意見を出しあいながら、どういったことが実現可能か・必要であるかを第一回目に議論していった。第二回では、より具体的な技術の内容について議論を行った。そして第三回では、今まで電力系統という交流システムに注目していた話題を直流システムに広げ、太陽光発電所での応用に関して議論した。

プログラム

0

未来の電力系統に関する議論1

1

技術トピックの交換

2

要求に関するトピックの交換・議論

3

未来の電力系統に関する議論2

ワークショップの成果

 本ワークショップにより、電力系統に本来必要な新しい機能を提案することができた。具体的には、系統に接続される装置の識別・検査機能や、厳密な需要制御機能などであり、これらを実現するための方法として、ファシリテータが研究している電流の特性を用いた電力線通信が他の技術と比べて有用であることが確認できた。またファシリテータが2015年度にインド共和国で行った途上国など不安定な電力系統向けの需要制御技術について、先進国においても太陽光発電とあわせて用いることが可能であることなどが明かになった。これらの成果についてはファシリテータの博士論文において、具体的な研究の応用先として示される。

アイテム

模造紙、付せん紙、インターネット環境、ホワイトボード、プロトタイプ

開催日時

2016.2.25(木)、5.25(水)、10.20(木) 各回2時間程度

場所

東京大学 本郷キャンパス

参加者・人数

学生3~4名
ほか、ファシリテータ(創造情報学専攻 博士課程 1名)、企業研究者(2社から2名、1名)、東京大学研究者(電子情報学専攻講師 1名)

講師/ファシリテーター

池上洋行(東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻 博士課程)

原稿執筆:池上洋行