In order to build better prosthesis, I organize a workshop to understand the real issues of current prosthesis and users ‘needs.

The objective of this workshop is to study the real issues of current prosthesis and what kind of prosthesis is desired by users. Prostheses compose of three core parts: socket for interfacing prosthesis and users, knee joint, having prosthesis flex and extend in gait, and foot, keeping balance and absorbing shock during heel strike. Although there are many prostheses in market, most of them are passive, which means there is no power, and users have to spend much metabolic energy driving their prosthesis. Therefore, I want to design some better prosthesis to help users walk easily and naturally in my PhD study. Since I am a prosthesis users and I understand part of issues of current prosthesis and my own needs for prosthesis to some extent. In order to understand general issues of current prosthesis and general needs of most users, I invite six users excluding me to participate in this workshop. We have some prepared questions for each participator to warm up this workshop. And then there is a free talk about sharing issues, experience to solve some issues and some possible approach to solve issues with technology.

企画の背景

人間は病気や事故など様々な原因で足を切断しなければならないことがある。失った足の代わりには、義足を付けて歩くことができる。義足はソケットと足部、及びその間を連結する膝継手と中間部から構成されている(図1)。ソケットの役割は義足を切断者の切断面にアタッチする部分(インターフェース)である。膝継手は人間の膝関節の機能を代替し、義足を屈伸運動する。ソケットと膝継手は義足の性能に関わる非常に需要なコアパーツである。綺麗に歩く、楽に歩く、早く歩く、走るというのは障がい者が期待していることであるが、その期待に応じる義足はまだ完成していないのが現状である。現在膝継手では油圧と空圧シリンダーがよく使われている。一般的に用いられている義足には、駆動装置も感覚伝達機構も備えられていない。切断によって失われた下肢の機能のごく一部しか代償していない。 私の博士課程研究テーマでは、ロボット技術を生かしたコンパクト、軽量なパワード義足を開発する。私自身は義足ユーザーであるが、普段義足の課題を実感しており、ある程度義足へのニーズが分かっていると思う。より多くの義足ユーザー抱えている共通の課題を洗いだし、より客観的に義足の課題を分析するために、既存義足の課題や義足ユーザーニーズ調査のためのワークショップを実施した。

どんなワークショップ?

義足ユーザーである私は日常生活抱えている課題を事前リストアップした上で、問題点を整理した。義足ユーザー6人を招いて、まず事前に用意した質問をディスプレイに映しながら、グループで一人ずつ同じ質問を答えてもらった(図2)。この形式を何度か繰り返し、1時間実施してから、フリートークの時間に移った。フリートークでは、先ほど聞いた質問をめぐって議論したり、自分なりの経験を語ったりした。この時間ではあるユーザーが抱えている課題は別のユーザーの工夫を共有することで、その場で解決できそうなヒントも貰った。フリートークを1時間20分程実施してから、最後に私から、エンジニアリング視点で、これらの課題についてこのようなロボット義足で開発できそうかもしれないこと、もしこの義足を作ったらほしいかどうかを聞き、開発におけるヒントを得た。ほかに、実現できるかどうかわからないけども、他の欲しい機能、欲しい義足は何かという想像発想的な話もたくさんした。皆さんの期待と励みの中で、ワークショップは終了した。

プログラム

10min

WS趣旨及び目的の説明:企画者の自己紹介、ワークショップの趣旨及び目的の説明

60min

グループで質問:同じ質問一人ずつ1-3分を答えてもらう。ほかの人も同じ経験ある場合、追加でその経験を語る。

80min

フリートーク:質問をめぐる議論、義足ユーザーの間に抱えている課題において経験知恵を共有。また、解決できない課題を開発者に投げる。

30min

解決案に関する議論:企画者からエンジニアリング視点からこの技術でこのような課題を解決するヒントを与えると、ユーザーの反応はどうか。ほかの欲しい機能とか発想的な話をする。また、ユーザーの経験によって、この技術でこの課題を解決できないかという提案。

10min

まとめ:メイン共通の課題の洗い出し。
今後研究開発ビジョンと段取りのシェア

ワークショップの成果

ワークショップでは、事前に用意した質問は皆さんに答えてもらった上で、色々な情報を収集できた。また、義足ユーザー間で、普段お互いにしゃべる機会がないので、フリートークでは義足ユーザーの抱えている課題に関して、ベテランユーザーが若手ユーザーへ、実際少しの工夫をすれば、一部の課題を解決できるという経験と知恵をシェアした。また、ユーザーそれぞれの身体能力や義足性能が異なるので、抱えている課題も異なる。他のユーザーの話を聞く中に、自分気づいていない課題を理解できたが、おそらくほかのユーザー抱えていない課題もユーザー達の中に共有できたかと思う。これによって、ユーザーの間にお互いに理解を深めながら、自分の不便を自分だけのものにせず、より頑張っていこうという気持ちが生まれたと思う。最後に、エンジニアリング視点からこれらの課題はこのような技術で解決できるかもしれないことを話したときに、皆さんは関心を持ってくれた。このような新しい義足や技術もあったと初めて分かったユーザーが多かったので、ユーザーにとっても勉強になるかもしれない。今後、技術の進歩により今の不便を解決できるかもしれないという期待が高まった。このワークショップにより、こちらもより課題を明確にできただけでなく、一部の課題を解決するアプローチのインスピレーションももらった。皆さんの期待と励みの中に、一刻も良いものを生み出すように頑張っていくという決意をした。

ふり返り

反省すべき点: ・参加者の同意を得た上で、写真や動画の撮影は実施していなかったので、非常に反省しなければならない。今後、チームメンバーを増やして、聞き手、議事録、写真と動画の撮影の分担を決めた上で、ワークショップをよく記録する。後で、写真と動画でワークショップの様子をより伝わる。   よかった点: ・夕方からの開催なので、チームメンバーは飲物や軽食を持ってきてもらったので、食べ・飲みながら、ユーザーにしゃべってもらった。柔らかい雰囲気の中で、ユーザーも自由に色々話できた。こちらも予想以上に情報収集できた。 ・自分の経験に基づく、事前課題をリストアップし、質問を整理したので、限られた時間内で、色々話を聞けたので、ワークショップはより効率的に行った。

アイテム

プロジェクター、ディスプレイ、紙、マーカーペン

開催日時

2016年11月11日

参加者・人数

8人

講師/ファシリテーター

孫小軍(東京大学情報理工系研究科博士課程)

原稿執筆:孫小軍