What do you need to cover all your journey by Integrated Mobility Service?

Integrated Mobility Service (IMS in short) is a service concept that aims to cover almost all of the daily trips of the users by combining various transportation modes. The facilitator of the workshop is conducting a research on IMS service design and evaluation. In the venue of the workshop, a residential area in Tajimi city, we have already conducted a survey on daily trips and willingness to use IMS service packages. In additions to the survey, we have conducted an experiment in which users can experience “almost unlimited ride of taxis and buses” for a week as a hypothetical IMS packages. However, the targeted variables of IMS design on the survey and experiments are limited. This workshop aimed to reveal important aspects of the service design.

企画の背景

鉄道やバス、タクシー、カーシェアなどの複数の交通サービスを組み合わせ、一体的な料金体系と案内システムの下で提供することで日常移動の大半をカバーすることを目指す「統合モビリティサービス」の考え方が、近年世界的に注目を集めている。統合モビリティサービスの一種として、月額料金を支払うことで一定範囲内の公共交通やタクシーなどが乗り放題になる交通サービスパッケージを提供する形態が提案されているが、それらのパッケージの設計方法については十分な研究がなされていない。そこで本ワークショップの企画者らは現在、統合モビリティサービスの設計・計画手法についての研究を進めている。ワークショップ開催地の岐阜県多治見市の住宅団地ホワイトタウンでは、紙媒体によるアンケート調査に加え、実際にバスとタクシーが乗り放題になる状況を体験してもらい、交通手段の使い分け方を把握するためのサービス体験実験を実施している。一方で、調査では捉え切れていない課題や、地域ならではの要素が、サービスの成否に大きく影響する可能性もある。そこで本ワークショップは、統合モビリティサービスを実際に郊外住宅地で実現するにあたっての課題や、取り入れるべき要素などを、実験参加者や地元自治会の方とのディスカッションを通して明らかにすることを目指して企画された。

どんなワークショップ?

本ワークショップではまず、ファシリテーター(藤垣洋平)から、統合モビリティサービスの概念や海外で展開されているサービスの具体例について紹介を行うとともに、2017年12月に実施した移動実態と交通サービス利用意向に関する調査結果の報告をした。その上で、結果報告などに対する質問や、交通サービスのあり方に関する意見・提案を付箋に書いて出してもらい、それをもとにディスカッションを行った。

プログラム

30min

ファシリテーターから調査結果概要と海外事例などについて紹介

10min

質問・コメント・アイデアなどの記入と貼り付け(第一ラウンド)

5min

休憩

30min

ディスカッション(第一ラウンド)

10min

質問・コメント・アイデアなどの記入と貼り付け(第二ラウンド)

5min

休憩

30min

ディスカッション(第二ラウンド)

ワークショップの成果

移動ニーズに合わせたサービス設計に資する意見・提案と、実現可能性を高めるための連携方法の大きく分けて2種類の側面で、情報提供と議論をもとにした提案を得ることができた。まずサービス設計に関しては、自家用車保有と比較するための世帯単位での料金設定が望ましいこと、カーシェアが含まれるとより転換しやすいこと、調査で提示した市内限定のサービスだけでなく市外へ行く移動に対応する方が望ましいことなどが参加者から挙げられた。また、大型商業施設などの目的地となる施設と連携することで安価なサービス提供ができる可能性や、行政による公共交通機関への補助の枠組みと連携することが望ましいといった点が挙げられた。

ふり返り

本ワークショップでは、紙媒体で対象地域の居住者を対象に事前に実施したアンケート調査や、サービス体験実験の調査結果を最初に提示するとともに、実験参加者にも参加して頂いた。それにより、具体的なサービスのイメージが付き、調査・実験で提示したものに上乗せする形で考えることができたために、具体的なサービスの内容や実現方法についての議論と提案に繋げることができたと感じている。

アイテム

情報提供資料、付箋紙、マーカーペン

開催日時

2018年3月25日

場所

多治見市ホワイトタウン 自治会センター

参加者・人数

12人

講師/ファシリテーター

藤垣洋平(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 博士課程)

原稿執筆:藤垣洋平