In the Media Mood

This workshop was the last among the three workshops participated by students who took the Media Practice/Global Design Workshop courses in the S1 term of 2019. The participants, who belonged to different disciplines and were of different nationalities, were divided into four groups. Each team had to choose one of the two media groups: 1) newspapers and television 2) computer and the Internet. Then, they were asked to investigate how the media they chose were being used in everyday life of Japanese people around 1999 and come up with a scenario and present it as a package of 10-minute slide show with audio as well as perform a 3-minute skit. The participants were reminded to work collectively and not divide the works.
Investigating the media mood of a near past seemed very challenging for the students who were around 3 or 4 years old in 1999, and some international students noted the shortage of English materials that describes something about the media situation of Japan from that period. In the end, however, all the groups managed to compile interesting scenarios that focused on newspaper advertisements, TV dramas and popular idols, the use of mobile phones, etc. They also showed their talents and performed interesting skits. This exercise hopefully became an opportunity for the participants to recognize how the use of media that we take for granted continues to change in our daily lives.

企画の背景

このワークショップは2019年度S1タームに開講された学際情報学府「Media Practice II (メディア表現論II)」および情報理工系研究科「グローバルデザインワークショップ」にて行われた3つのワークショップの最後のものである。専攻の異なるマルチナショナルな学生が受講しており、この時点で彼らはすでに2つのワークショップを経験しているが、数週間にわたって準備と検討を必要とする規模のものは初めてとなった。このワークショップでは近過去のメディア環境を調べて想像することで、現在のメディア環境を異化して考えられる力を育むことをねらいとした。

どんなワークショップ?

①参加者を4つのグループ(1グループに4,5名)に分け、それぞれに 1)新聞とテレビ、2)コンピュータとインターネットのどちらかを選んでもらう。(各グループの国籍や専攻、ジェンダーバランスを考えてグループ分けは事前にファシリテーターが行った。)
②選んだメディアが1999年の日本の日常生活の中にどのように溶け込んでいたかについて調べた上でシナリオを考え、5-10分程度の音声付きスライドショーにまとめ、さらにその時代の空気感を再現するような3分間の寸劇の形でプレゼンテーションする。グループの構成員が分業するのではなく、それぞれが協働して作品を完成させる。
③作品の発表の後、講評。

プログラム

5月9日
25min

ワークショップの説明

50min

映画「ラジオデイズ」(1987年)の一部を鑑賞(media moodとは)

5月13日
45min

1999年を考える上での時代背景の補足(阪神大震災、オウム真理教の事件)

60min

 "The Man on the High Moon” の一部を鑑賞 (パラレルワールドを想像する)

5月16日
105min

グループワーク、途中経過報告

5月2日
105min

グループワーク、途中経過報告

5月27日
105min

グループワーク、途中経過報告

5つ30日
115min

発表と講評

ワークショップの成果

各グループで調べ議論した末に書いたシナリオを、スライドと録音をパッケージした形でプレゼンテーションし、寸劇を行った。1999年の日本の新聞でどんな広告が打たれていたか、人気だったテレビドラマやモーニング娘。などのヒット曲、ケータイの使われ方、1995年の阪神大震災を題材に検討するなど、いろんな切り口から当時のメディア・ムードを表現した。

ふり返り

このワークショップはちょうど平成から令和に元号に変わった直後だったので、media moodを考える年を1989年にするという話もあった。しかしまだ生まれていなかった時代の空気を想像するよりも、一応すでに生まれていた近過去の方がまだそのハードルが低く取り組みやすいだろうということで20年前の1999年、だいたい参加者が3、4歳あたりの時代のことを想像してもらうことになった。受講生17人のうち日本人は4名のみであったため、グループに1人しか日本人がいないということで彼らには少し負担が大きかったかもしれない。英語で当時の日本について知ることができる資料が少なかったので苦労した、という声もあった。一方で知らなかった日本の一面を知る機会になったという反応もあった。
ファシリテーターもそれぞれのグループから当時について質問されたりインタビューを受けたが、すでに成人して生きてきた時代で、ついこの間だったように感じるが、当時ケータイやパソコンをどう使っていたかを思い出すのに苦労するほどメディア環境はじわじわと変化していっているのだと気付かされた。

アイテム

パソコン、スマートフォン(寸劇に使う小道具は参加者が適当に持参)

開催日時

2019年5月9日、13日、16日、23日、27日、30日

場所

東京大学本郷キャンパス福武ホール地下2F 第一演習室

参加者・人数

17名 
 (学際情報学府 11名(研究生2名含む)、情報理工学科 6名)

講師/ファシリテーター

水越伸(情報学環教授)・神谷説子(博士課程,TA)

原稿執筆:神谷 説子