GDWS(Global Design Workshop)は、東京大学進めるGCLという教育プログラムのなかで、ワークショップの教育研究をおこなう機構体である。
GCLは2012(平成24)年度からスタートした博士課程教育リーディングプログラムの一つである、「ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム」の略称。GCLについての詳細は、下記をご覧いただきたい。
ここではまず、GDWSの基本構想案、「Global Design Workshop(GDWS)のあり方」を提示する。この文書は2013年4月にGCLが本格稼働する直前に作成されたものであり、13年度から続くGDWSの活動はこれらの構想の流れに沿って展開している。
つぎに、GDWSの基本的な構成を描いたスライドを提示する。これはGCL内外での説明資料として活用されたもので、どのようなワークショップをいかなる構成で展開するか、それらをどのように評価するかなどの概要が素描されている。
14年度は様々なワークショップのバリエーションを学生に向けて提示した年になった。一言でワークショップといっても、実際には様々な型をもつ多種多様なワークショップがあり、一つの型だけを身に付けたとしてもそれでワークショップ・デザインを身に付けたことにはならない。今後の展開を通してGDWSとしてどのようなタイプのワークショップを提示し続けられるか、さらに可能性を試していきたい。
はじめに
文部科学省では、「優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産・学・官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した世界に通用する質の保証された学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援し、最高学府に相応しい大学院の形成を推進すること」を目的とした「博士課程教育リーディングプログラム」を開始しました。我々は、この中で平成24年度に採択された「ソーシャルICT グローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(プログラムコーディネータ:國吉康夫教授)」の一環として、GDWS(Global Design Workshop)の企画運営を推進してきました。本報告書は、平成26(2014)年度に実施されたプログラム2期生を中心とする活動についてまとめたものです。
「ソーシャルICT グローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム」は、情報理工学系研究科(コンピュータ科学専攻、数理情報学専攻、システム情報学専攻、電子情報学専攻、知能機械情報学専攻、創造情報学専攻)、学際情報学府(学際情報学専攻)、工学系研究科(都市工学専攻、電気系工学専攻)、医学系研究科(社会医学専攻、健康科学・看護学専攻)、農学生命科学研究科(農学国際専攻)、教育学研究科(総合教育科学専攻、経済学研究科(経営専攻)、公共政策大学院、法学政治学研究科(総合法政専攻)という実に幅広い分野からの学生が集い、ICT技術を駆使した創造的な活動を世界展開するリーダーの育成に努めています。その中で鍵となるのは,専門分野の垣根を越えて、互いを尊重し合い磨き合えるような場を創り出す力であると我々は考えています。すなわち、効果的で創造的なワークショップを実践する技量を身につけることが、従来のカリキュラムの中で不足していたのではないかと考え、GDWSという教育の枠組みを確立することがプログラムの成功に繋がると確信しています。
この1年で得た我々の知見を共有することが継続的な発展に資することを期待します。
GCL GDWS機構長
苗村健
(東京大学大学院情報学環教授)