Making “SimRural” with Blank Cards

In Japan, nation-wide financial difficulties are going to cause public services such as snow clearing and bridge maintenance to deteriorate. However, Japanese can avoid such a tragedy through the drastic reorganization of land use, for example by transferring populations to regional centers and simplifying land management.

Unfortunately, the drastic reorganization of land use is extremely difficult, because it needs national agreement in a democratic nation. To make matters worse, almost all Japanese are uninterested in the future of public services. We have hypothesized that learning through an enjoyable game, called ‘SimRural’ developed by us, will be useful in raising national interest.

This workshop was carried out at the University of Tokyo on October 18-19, 2014. Our aim was for participants to practically improve their ability to make an educational game related to the reorganization of land use.

The workshop was divided into six stages. The first stage was a lecture by three specialists. The participants learned the foundations of making an educational game from a specialist with games on the market including ‘Pandemic,’ a game which requires close cooperation from players. They also learned about the reorganization of land use from two specialists in rural planning. In the second stage, the participants were divided into two groups, and then each group independently made frameworks for a tiny SimRural, a card game related to the reorganization of land use.

In the third stage (the second day), participants cultivated friendships by playing ‘Saboteur,’ a game on the market requiring certain powers of observation. In the fourth stage, they continued making their games with materials we provided, for example thick paper, blank cards, and dice. The fifth stage was the presentation of their games including unfinished ones. An accomplished game related to a wild animal and land use was practiced and appreciated by the specialists. In the sixth stage, all participants actively shared their opinions.

From the positive impressions of the participants, we found that they were able to improve their abilities and motivations. However, it should be noted that one group failed to finish developing their game. Although the specialist in education provided several models of games, making a new game was difficult for beginners. We should have asked him for simpler, easier to understand models.

企画の背景

日本では、国全体の財政難により、道路の除雪や橋の架け替えといった行政サービスの維持が難しくなろうとしている。しかし、日本人は思い切った土地利用の再構築、たとえば、地域の中心に居住地を集約することや土地管理の簡素化によって、そのような悲劇を回避することができる。

とはいえ、民主的な国では国民的な同意が必要であるため、思い切った土地利用の再構築を実行することはきわめて難しい。さらに悪いことに、日本人のほとんどは行政サービスの将来に興味を持っていない。国民的な関心を高めるにはどうすればよいか。わたしたちは、楽しいゲーム(シムルーラル)による学習が効果的と考えている。このワークショップでは、参加者が、土地利用の再構築に関する教育的なゲームを制作するための能力を実践的に高めることを目指した。

どんなワークショップ?

*段階1:教育の専門家が、教育的なゲームを制作するための基礎について説明した。説明では、『パンデミック』といったいくつかの市販のボードゲーム(カードゲーム)が効果的に使用された。そのほか、農村計画の専門家2名が、土地利用の再構築について説明した。

*段階2:2グループに分かれ、カードゲーム版シムルーラルの骨格について、それぞれが独立的に考えた。

*段階3:一定の対人観察力を必要とするゲーム『お邪魔者』を使用して、友好を深めた。

*段階4:ゲームづくり(1日目のつづき)。主催者側は、必要となりそうなもの、たとえば厚紙、白紙のカード、サイコロを準備した。

*段階5:野生動物と土地利用に関するゲームが実行され、専門家から高い評価を受けた。完成させることができなかったグループについては、だいたいのイメージ、流れを説明してもらった。

*段階6:全員で積極的に感想を共有した。

プログラム

1日目
150min

段階1: 3名の専門家からのアドバイス

90min

段階2: 土地利用の再構築に関するカードゲーム(カードゲーム版シムルーラル)の骨格を考える

2日目
60min

段階3: 市販のゲームで友好を深める、頭の準備運動

120min

段階4: カードゲーム版シムルーラルの制作

30min

段階5: 参加者が制作したゲーム(未完成を含む)の評価

30min

段階6: 感想の共有とまとめ

ワークショップの成果

・野生動物と土地利用に関するカードゲームが完成した。ただし、調整や仕上げが不十分であり、実質的には、試作品の一歩手前という印象を受けた。最終的には、肯定的な感想が多かった。検証することはできないが、このワークショップは、参加者の能力と、本格的なシムルーラル開発に向けての意欲を高めたと想像している。

ふり返り

・完全な時間切れになったグループが見られた。とはいえ、たとえば2倍の時間があったとしても、完成させることは難しかったと想像している。専門家からいくつかのモデルが提供されたが、一からのゲームづくりは、初心者に難しかったと考える。もう少しわかりやすく、単純なモデルの提供をお願いすべきであった。

・前述のグループは、若干の退出・入室の影響を受け、途中から戦力不足に陥ったことを付け加えておく。途中の退出・入室については、事前に通知を受けていた。そのような情報をグループ分けの際に活用すべきであったと反省している。

アイテム

市販のボードゲーム数点
厚紙
白紙のカード
サイコロ

開催日時

2014.10.18-19(土・日) いずれも13:00-17:00

場所

東京大学本郷キャンパス工学部2号館9階92B教室

参加者・人数

参加人数:9名
GCL学生6名、GCL以外学生2名、社会人1名

講師/ファシリテーター

池尻良平
(東京大学大学院情報学環特任助教)
林直樹
(東京大学大学院農学生命科学研究科特任助教)
齋藤晋
(特定非営利活動法人国土利用再編研究所副理事長)
会田大也
(東京大学大学院GCL GDWS特任助教)

原稿執筆:林直樹