"Future Media Education for Children" Workshop

This workshop was to devise new content for the educational program operated as a business at Isetan department store. The important point was to train practical thinking skills by communicating directly with an actual manager from Isetan. Participants received an orientation directly from the manager, inspected the site, created a plan, and made a presentation. The task was to think about new media education for young children. Participants reviewed the actual assumptions in detail and received feedback from the manager. It was a great opportunity to study while considering feasibility by planning while considering many parameters.

企画の背景

このワークショップでは、実際にワークショップをデザインすることを通じて、ワークショップコンセプトの立案能力や提案力を鍛えるという目的を設定した。子供向け教育プログラムを展開している伊勢丹新宿店の担当マネージャーを講師に迎え、現場で起きていることを聞いた上で、2週間弱の期間の中で子供を取り巻く現在の環境を踏まえて実際の現場で運用することを想定した教育プログラムの提案を行なった。

どんなワークショップ?

まず最初に、伊勢丹の担当マネージャーである山田幸さんから、伊勢丹百貨店の沿革や、なぜ店舗のベビー子供フロア6Fで教育プログラムを販売しようと思ったのかという経緯を伺った。

その後、実際に子供向けイベントをやっている現場に行き、様子を見学した。子供向けプログラムとひと言で言っても、時間の決まっている講座のスタイルや、いつでも参加できる託児所のようなスタイルなど、その受け入れスキームだけでもひとつではない。そのため、子供たちにとって情報を交換するメディアがどのような存在なのか、子供の目線に立って様々な要素を整理していった。そして、2週間後の発表までに考えてくるべき課題の決定と、2名一組のグループ分けを終え、初日が終了した。

2週間後に行われる発表に向けて、グループごとにリサーチやコンセプトメイキング、実際の企画の立案と提案書の作成を行なった。 発表当日は山田マネージャーを東大に迎え、実際に発表を聞いてもらい、フィードバックを受けて全プログラムを終了した。

プログラム

1日目
30min

イントロダクション

45min

伊勢丹についてのレクチャー

45min

現場見学

15min

感想の交換とグループ分け

180min

ディスカッション

2日目
110min

プレゼン資料作成

90min

提案プレゼンテーション

90min

フィードバックとリフレクション

ワークショップの成果

発表は、2グループとも「いかに子供の身体的な経験をICTで拡張したりサポートしたりしながら、新しい時代の身体性を体験させるか?」といった観点に基づく提案であった。このことは、伊勢丹が教育プログラムにおいて常に模索しているポイントと重なっていて、参加者がリアルに問題意識を共有できていることを感じさせた。 ワークショップを通じて、実際に企業で商業的に行なっているワークショップにおいて、いかなる配慮や狙いの中で企画がつくられているか、という観点に触れることができた。

ふり返り

ワークショップの内容が実践的である場合、現実の制約によって発想が萎縮してしまうことが多いが、今回のワークショップでは、参加者にあまり現場の制約を意識させず、自由に発想してもらうことができた。今回は、制約条件を前提とした「どんなことだったら実現できるか」というアプローチよりも、まずは「子供向けメディア教育において、今後、何をすべきか」をしっかり考えるというプロセスを重視した。

昨年度と異なり、発表のアーカイブをしっかり撮影できた点は改善であったが、参加者の数が少なかったため、来年度は告知時期などを工夫してより参加しやすい状況をつくりたい。

アイテム

プロジェクタ、スクリーン

開催日時

2017.8.27(日)13:00 - 18:00
9.2(土)13:00 - 17:30

場所

伊勢丹新宿本店
東京大学本郷キャンパス 情報学環オープンスタジオ

参加者・人数

4名
(創造情報学2名、学際情報学1名、公共健康医学1名)

講師/ファシリテーター

山田幸(伊勢丹 cocoiku担当マネージャー)
会田大也(東京大学大学院GCL GDWS 特任助教)

原稿執筆:会田大也