COOL CHOICE Design Workshop

Since Japan has set a goal to reduce greenhouse gas emissions by 26% in 2030 compared to 2013, the Ministry of the Environment in cooperation with relevant ministries and various enterprises, organizations and local governments, is now promoting the national campaign called “COOL CHOICE” to encourage people to make “cool” choices in every aspect of life. This “COOL CHOICE Design Workshop” was conducted to identify effective and practical alternatives for the way of choosing low-carbon “products,” “services” and “lifestyle,” which serve as global warming countermeasures. This workshop involved cooperation with industry and government. It was held at the University of Tokyo on July 15th and 29th, 2017. On the first day of the schedule, GCL students, people from industry and government got together and first listened to two guest lectures. After the lectures, participants were randomly divided into five groups and did two activities: “Brain Writing” and “Outback,” which were used to generate a lot of ideas for “COOL CHOICE.” As the last activity for the first day, each group made a short presentation to summarize their outcomes of each. On the second day, the five groups of GCL students first made quick presentations for the people from industry and government to get feedback on the ideas generated on the first day, which students had developed during the subsequent two weeks. Each group worked with members of industry and government to develop their ideas for the final presentation. At the end of the schedule, an idea competition was held, and five ideas were presented. Based on this workshop, it was decided that the two best ideas would appear in an issue of a business magazine, Toyo Keizai, in 2018.

企画の背景

2015年7月より環境省は、地球温暖化対策に資するあらゆる「賢い選択」を促す国民運動として「COOL CHOICE」を始めた。 本ワークショップでは、東京大学GCL学生と商品やサービスのデザインに関わる一般企業の方が集まり、「COOL CHOICE」の意味を学際的視点から今一度吟味し、生活者の日常に埋め込まれた 「COOL CHOICE」の機会や動機を深く考察した上で、「COOL CHOICE」という現象そのものを産官学連携でどのようにデザインすることができるのかを考えることを目的とした。

どんなワークショップ?

本ワークショップの初日では、まず全体のアイスブレイクから始まり、次に環境省担当者の講演を聞いた。また、ワークショップに先立って行われたウェブアンケート結果、および「COOL CHOICE」の潜在的賛同者の心理特性などについての共有が行われた。その後、企業の方を交えたグループに分かれて、企業の方の商品やサービスのデザインや商品開発の実態を聞きながら、「COOL CHOICE」のデザインについてブレインストーミングを行った。ブレインストーミングでは「ブレインライティング」と「アウトバック」の2種類を行うことで、より多角的なアイデア形成を目指した。2日めは、初日において出されたアイデアをもとに2週間でまとめてきた「COOL CHOICE」のデザイン案を、学生以外の参加者に向けて発表を行ったあと、それぞれのグループにサポーターという形で入ってもらい、最終プレゼンに向けてのまとめを行った。ワークショップの最後には、各最終プレゼンの発表が行われ、会場からの投票によってデザインコンペを実施した。

プログラム

1日目
20min

【導入】 趣旨説明とアイスブレイク(嘘つき自己紹介)

40min

【知る活動1】講演:環境省「COOL CHOICE」について(水野紗也氏)

20min

【知る活動2】講演:「COOL CHOICE」の潜在的賛同者とは (杉野)

休憩
30min

【沸く活動1】アイデア出し(ブレインライティング)

休憩
60min

【沸く活動2】アイデア発展(アウトバック)

30min

【共有活動】発表(ショート・プレゼンテーション)

20min

【まとめ】リフレクション/次回に向けてのイントロ

2日目
20min

【導入】 2日めのスケジュール共有とウォームアップ(How are WE?)

60min

【共有活動1】2週間の成果発表(発表キャラバン)

休憩
30min

【発展活動】 別チームからの情報フィードバック+案の再構築

60min

【共有活動2】 発表・アピールタイム(フリースタイル)

20min

【共有活動3】 企業の方は講評/学生は学生内でのリフレクション

30min

【まとめ】 結果発表・全体リフレクション/ラップアップ

ワークショップの成果

本ワークショップの最終段階では、五つのグループに分かれてデザインの提案が行われた。人々の日常生活における行動場面に焦点を当てたアイデア提案が行われ、ワークショップ全体の結果とプレゼンコンペにて最優秀、優秀作品に選ばれたものに関しては、連動して2017年10月に横浜にて開催された東京湾大感謝祭においてブース発表が行われたほか、「東洋経済」におけるCOOL CHOICE企画記事に掲載された。

ふり返り

人間一人の認知や行動、ライフスタイルを変容させることは容易ではない。「COOL CHOICE」が本当の意味での国民運動となるためには、「COOL CHOICE」を行う人の生活場面と、そこにおけるサービスやプロダクトが行動する瞬間にフィットしているのかを考える必要性がある。加えて、新しい価値や基準、技術が社会に普及するためには、その仕組みそのものを再考する必要性もある。 本ワークショップでは、環境省「COOL CHOICE」の普及という題材に対して、オープンスパイラルモデルの考え方に基づき、産官学が連携したワークショップを開き、いくつかの提案をまとめた。本取り組みを通して、新しい取り組みに対して賛同してくださる方々と共に、大学側からイノベーションが生まれる議論の場を提供することの重要性も確認された。また、地球環境問題というグローバルな課題に対して、産官学という枠組みを一度捨てて議論を行い、また自らのポジションや専門分野に戻ったところで具体的に自分たちに何ができるのかを考えるというプロセスそのものを学生を含めた参加者に提供することができたことは、本取り組みの成果であったと考える。

アイテム

模造紙、付せん紙、インターネット環境、パソコン、 日用品雑貨、ワークシート

開催日時

2017.7.15(土)、7.29(土)

場所

東京大学本郷キャンパス 福武ホール・ラーニングスタジオ(7.15)
東京大学弥生キャンパス 弥生講堂・会議室(7.29)

参加者・人数

学生9名
(公共健康医学1名、コンピュタ科学1名、知能機械情報学2名、電気系工学専攻1名、健康科学・看護学2名、学際情報学1名、農学国際1名)
企業参加者8名、官庁参加者4名、教員1名

講師/ファシリテーター

水野紗也(環境省関東地方環境事務所環境対策課 課長補佐)
杉野弘明(東京大学GCL-GDWS 特任助教)

(共催:環境省、東京湾大感謝祭事務局)

原稿執筆:杉野弘明