Landscape Photos and Digital Platform Workshop
Participants of this workshop experienced three different activities which are related to search engines. First, they ranked a series of landscape photos and were alerted to the fact that the result of their rankings can change depending on algorithms, just like search engines. Then they were asked look up for the actual places of two of the photos, which were all done by using Google. Finally, the participants were asked to discuss in groups what it would have been like to do a similar search back in 1988 when the Internet did not exist, and in 1998 when Google wasn’t around?
This workshop was a pilot program of the “New Literacy for Media Infrastructure Project” undertaken by the research community of Shin Mizukoshi Lab since April 2018. The project aims to establish new media theory and design educational workshop programs in the era of media infrastructure – from Facebook, Twitter and Google as well as the Internet itself – that has become part of our daily lives in the past two decades. This workshop, which focuses on defamiliarization of search engines, reflects our goal to develop tools for nurturing critical thinking skills towards the function, structure and design of media infrastructure, not only from technological viewpoints but also from political, economic and cultural perspectives.
企画の背景
企画の背景:このワークショップは研究プロジェクト「メディア・インフラに対する批判的理解の育成を促すリテラシー研究の体系的構築」(科学研究費基盤研究B 2018-2020年度 課題番号:18H03343)で構築するワークショップ型学習プログラムのパイロット実践である。当プロジェクトはGAFAを始めとするメディア・インフラの構造や機能、デザインを技術的観点からだけでなく、政治経済的、文化的な観点からも批判的に理解していくメディア・リテラシーを育成するための新たな理論構築と学習プログラム開発を目的としている。このワークショップでは特に検索エンジンに注目し、いかに自分たちがGoogleなどに日常的に依存しているかに気づくこと、また過去にはオルタナティブがあり得たことを想起することでメディア・インフラを批判的に意識できる視座を育むことをねらいとした。
どんなワークショップ?
相関する3つのワークショップ(①風景写真ランキング、②風景写真の場所を探してみよう、③過去の検索を想像してみよう)で構成されている。
①10枚の風景写真を見て、自分が行ってみたい、見てみたい順に1から5のランキングをつけてもらう。集計の方法の違う結果を2パターン紹介し、投票行動を集計して結果にランキングをつけることが検索エンジンと同じことであることを説明する。
②次に、この10枚の中から2枚を選び、それがどこの風景なのかを探してもらい、どうやって探し当てたかを共有する(Googleの検索に頼っていることに気づく。)
③過去のある年(1988年と1998年)にタイムスリップしたとして、その当時に②と同じ写真の風景がどこであるかを調べるには、どのようなやり方で答えにたどり着けたかをグループで考えてもらう。
プログラム
13:00-13:20 | オープニング | |
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WS 1: 風景ランキングを作ってみよう(40分) | ||
13:20-13:40 | ワーク説明とランクづけと結果共有 | |
13:40-14:00 | ミニレクチャー | |
WS 2: 風景写真の場所を探してみよう(45分) | ||
14:00-14:30 | ワーク説明、風景写真探し⑴ | |
14:30- 14:45 | 風景写真探し(2)結果共有と振り返り | |
14:45-14:55 | 休憩 | |
WS 3: 過去の「検索」を想像してみよう(130分) | ||
14:55-15:05 | ワーク説明とグループわけ | |
15:05-16:45 | グループワーク | |
16:45-17:05 | 発表とディスカッション | |
17:05-17:30 | 振り返り、まとめ |
ワークショップの成果
風景写真探しをした際、参加者はキーワードでも画像でも地図でも結局は全てGoogleを使って検索をしており、いかに検索エンジンに依存しているかを改めて実感できたと思われる。1988年や1998年などの近過去を振り返るグループワークでは、特に年長の参加者が自らのメディア体験の記憶を語ってくださることで、当時を知らない若者との会話が進み、検索エンジンがなかった時代のメディア環境を思い起こしながら当時だったらどうやってたどり着けるかをそれぞれに示すことができた。
ふり返り
1988年と1998年という設定は、前者がインターネット普及の前、後者がGoogleが登場する直前というタイミングを意識した上でのことだ。そんなに古い話ではないとはいえ振り返ってみるとあっという間に我々の日常の中でメディア体験は変化している。このワークショップには10代後半から70代まで幅広い世代と所属の異なる方々に参加していただいたが、さまざまなバックグラウンドの人がディスカッションに入っていることが大きな鍵を握っているように思われた。事前と事後に参加者のアンケートを取っており詳細な分析はこれからではあるが、ワークショップに参加したことでプラットフォームについて考えたり意識した趣旨の感想が見受けられてはいる。今後も実践と改良を重ねながらより効果的なワークショップにできればと思う。
アイテム | スマートフォン、パソコン、iPad(ロイロノート)、写真のプリントアウト、付箋、マーカー、模造紙、参考図書や印刷した資料、飲み物、お菓子 |
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開催日時 | 2019年3月2日(土) |
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場所 | 東京大学本郷キャンパス 福武ホール地下2F 演習室 |
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参加者・人数 | 16名 (男性9名、女性7名) |
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講師/ファシリテーター | 水越伸(情報学環教授)・駒谷真美(実践女子大学教授)・宇田川敦史(博士課程)・神谷説子(博士課程) |
原稿執筆:神谷 説子