Workshop Study Meeting #02

In this second study meeting, Ryo Yoshikawa, who was a masters course student of the GSII and a former technical analyst for GCL, presented his valuable experience and knowledge from the Aalto University Media Lab in Finland, where he had stayed for half a year from 2013 to 2014. Mr. Yoshikawa gave a presentation of his experiences over there, especially the way of conducting workshops for prototyping in the Media Lab. After his talk, there was active discussion about prototyping and cultural comparisons were made between Finland and Japan. The chair was Professor Shin Mizukoshi.

企画の背景

海外留学とはいかなる経験なのか。とくにワークショップを重んじ、多様な専門の学生らがものを具体的につくることを通して協働するプロトタイピングの技法を採り入れている北欧のデザイン・スクールではどのような学びの場が用意されているのか。書物を読むだけでは得られない、異文化において体得された知を、大学院生から報告してもらうことは、とかく研究室の中、日本の中に留まりがちな日本人学生らに刺激的な場を提供するという意味で、意義深いと考えた。

どんなワークショップ?

2013年度後半〜14年度前半、フィンランド・アールト大学メディア・ラボに留学した吉川遼氏(元GCL TA)による留学体験報告。同大学メディア・ラボは、1994年にヘルシンキ美術デザイン大学(現アールト大学美術デザイン建築学科)内に設立された学際的な組織であり、東京大学大学院情報学環・学際情報学府とカバーエリアや教育研究活動に類似点が多い。 教育工学、情報工学、認知科学が重なる学際領域の研究に取り組む吉川氏は、約半年間にわたって同メディア・ラボに滞在し、ワークショップ型の授業を履修することを通して、人間中心主義的、社会民主主義的な研究のありかたを学んできた。 ワークショップの中ではとくに、異なる領域の人々が協働し、新しいものごとを生みだしていくためにプロトタイピングという技法を導入していた。当日は、吉川氏が取り組んだプロトタイピング(ヘルシンキ市内バスのルート表示をバスの天井にわかりやすく可視化するシステム)の事例をくわしく説明してくれた。 そのあと、参加者との質疑応答をおこなった。

プログラム

10min

趣旨説明と講師紹介

50min

講師によるプレゼンテーション

45min

質疑応答

ワークショップの成果

同大学メディア・ラボにおけるワークショップが、2週間などといった長期間におよぶある種の集中授業であり、デザイン系の組織に特有のものづくりを志向したものであることがわかった。逆に、いわゆるメディアリテラシー・ワークショップなどに見られる詳細なプログラム・デザインはなされていないことがわかった。 プロトタイピングの具体的な事例とその意義を共有することができた。

ふり返り

GCL 学生の参加が少ないことは残念だったが、GCLにおけるワークショップの展開を考えるうえで、きわめて有用な知見を得ることができた。

アイテム

白板
プロジェクター

開催日時

2014.9.16(火)12:15-14:00

場所

東京大学本郷キャンパス情報学環福武ホール・会議室

参加者・人数

参加人数:7名
GCL 学生、GDWS スタッフ、大学院情報学環・学際情報学府関係者

講師/ファシリテーター

講師:吉川遼
(東京大学学際情報学府修士課程)
司会:水越伸
(東京大学大学院情報学環教授)

原稿執筆:水越伸