Collaborative Research Design

Collaboration with various specialists is often deemed necessary to solve complicated social problems. The theme of URBAN×ICT workshop #01 was ‘Collaborative Research Design.’ The aim of this workshop was to have the students experience collaborative research and realize its usefulness as well as its difficulty.

Firstly, Professor Yasushi Asami talked about the meaning of synthesis for study and introduced some collaborative research projects conducted in the Center for Spatial Information Science at the University of Tokyo. After the short lecture, the students started to work in groups of three people, comprised of students of different disciplines. Firstly, they introduced themselves, talked about their major, the theme of their study and so on. Then, they discussed and created an original collaborative research proposal related to spatial information. The proposal consisted of a title, innovation and effect, research plan and method. The actual proposed research titles were as follows:

– Establishment of a System for Easy Access to Psychology Specialists

in Local Communities

– Hospice as a ‘Third Place’

– Aging Society Healthcare Cost Reduction Using Urban Farming

and SNS Big Data Analysis

– Helping ‘Hikikomori (social withdrawal)’ Using Drone Systems

We did not create detailed research plans, but the students came up with innovative proposals through collaboration. They were able to realize the merits and difficulties of collaborative research.

企画の背景

様々な要素が複雑に絡み合った現代の都市問題を解決するために、分野横断型の取り組みが求められている。都市を読み解き、問題を解決するための理念や目標を共有しながら、互いの専門性を活かして解決策を錬りまとめあげるということはどういうことなのか。その難しさや楽しさはどこにあるのか。こうしたことを体験してもらうため、2015年度URBAN×ICTの第1回では、「コラボラティブ・リサーチ・デザイン」と題して異分野間の共同研究を提案するWSを行った。

どんなワークショップ?

*要素を「綜合」してとらえる研究の必要性について、および東京大学空間情報科学研究センターで議論された、もしくは実際に実現した異分野間コラボレーションによる研究プロジェクトの形成例について、講師によるレクチャーを実施。

*その後、学生は3人1組・4つのグループ(それぞれ異分野となるように予め運営側でグループメンバーを設定)に分かれ、グループワークを行った。自分の専門等についての自己紹介ののち、ディスカッションを通じて、学生それぞれの専門にかかわるキーワードを組み合わせ、「空間情報」に関する新たな研究プロジェクトを提案してもらった。

*提案には、タイトル、研究アイデア・構想(目的、新規性・期待される効果、研究計画・方法)を含めてもらった。

*提案の形式は、スライド5枚とした。また、議論の経過の説明の際には、大きな付箋も使用可とした。

プログラム

15min

趣旨説明

20min

講師によるレクチャー

75min

グループワーク(前半15min自己紹介)

40min

表・まとめ

ワークショップの成果

・グループワークのアウトプットとしての提案のタイトルは次の通りである。

— 地方都市における、心理の専門家にアクセスしやすい体制の構築(学生の専攻:心理、数理情報、まちづくり大学院)
— サードプレイス型ホスピスプロジェクト(学生の専攻:看護、学環、都市工)
— Aging Society Healthcare Cost Reduction using Urban Farming and SNS Big Data Analysis(学生の専攻:公共政策、都市工、学環)
— Helping “Hikikomori’’ using drone system(学生の専攻:学環、都市工、心理)

・作業時間は十分とは言えなかったが、いずれのグループにも組み合わせの妙が見られ、斬新な研究提案が行われた。

ふり返り

・アウトプットとしての研究提案は、いずれもユニークなものであった。このような提案があがった要因としては以下が挙げられる。1)1グループ3名という構成にしたため短い時間でも密な議論ができたこと、2)異なる専門分野から成るメンバー構成としたこと、3)講師によるレクチャーが作業を始める前の学生にとって良い参考になったこと。

・一方、WS後に行ったアンケートでも「あと15分、30分長ければよかった」という声があったとおり、求めるアウトプットに対してグループワークの時間がやや短くなってしまったことが運営側の反省点として挙げられる。

・今回のWSは、学生に分野横断型研究とはどういったものなのか体験してもらうとともに、楽しさや難しさを感じてもらうことが教育面における狙いであった。その後のアンケートで「予想以上に面白く、有意義だった」という声が多く聞かれ、「楽しさ」や「面白さ」については感じてもらえたようである。また「分野の方の鋭い指摘や自分の足りなさも感じられる」、「特に難しさについては、難しさに加えて、協力において自分に足りないところ(自分の分野の考え方を伝える、数理情報と聞いてもひるまない等)が見つかった」という声があったことから、「難しさ」や「共同研究をする上での自分自身の課題」について実感することもできたと考えられる。

アイテム

テーブルトップ(大きな付箋紙)
付箋
コンピュータ

開催日時

2014.5.9(金)18:00-20:30

場所

東京大学本郷キャンパス工学部14号館1階141室

参加者・人数

参加人数:12名(レクチャーのみ参加1名)
健康科学・看護学1名、臨床心理学2名、学際情報学府3名、数理情報学1名公共政策学1名、都市工学3名、まちづくり大学院1名

講師/ファシリテーター

講師:浅見泰司
(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授)
ファシリテーター:後藤智香子
(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻特任助教)
運営スタッフ:宋知苑(ソン・ジウォン)
(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程GCL RA)

原稿執筆:後藤智香子