Cut ups

This workshop, inspired by the cut-up technique popularized by author William Burroughs, was one of the first workshops participated by the students who took the Media Practice II/Global Design Workshop courses in the S1 term of 2019.
Participants were told in advance to bring along a magazine that they can cut out. After they divided into groups, the facilitator asked the participants to come up with their answers to a question (“What is the University of Tokyo?”) and present their responses onto a sheet of paper by cutting and pasting the words and characters from the magazines and rearranging them. Some groups focused on discussing their responses first and then worked on the cut and paste activities, while others went through the magazine pages as they talked and clipped the phrases and characters and posted their answers. Either way, it was a process of deconstruction of the original text and an exercise to defamiliarize themselves with media.

企画の背景

このワークショップは2019年度S1タームに開講された学際情報学府「Media Practice II (メディア表現論II)」および情報理工系研究科「グローバルデザインワークショップ」にて行われたもののひとつである。理論と実践を組み合わせたこの授業が今期は英語で行われたこと、また情報理工系研究科の授業としては初めて開講されたため、従来よりも受講者の構成は国際色豊かであり、メディアに関する授業は初めてという学生も少なくなかった。このような受講者のバックグラウンドを把握した上で、この授業では出来るだけ彼らが取り組みやすいメディア・リテラシーのエッセンスを含んだワークショップを行った。Cut-upsは授業を通じて行なった3つのうち一番初めに行われたワークショップである。

どんなワークショップ?

Cutーupsとは印刷物のテキストを切り刻み、それを使って文章を組み直すという、アメリカのビートジェネレーションの作家であるウィリアム・バロウズが考案したテクニックのことを指す。このワークショップはCut up techniqueをそのまま実践する。
参加者は5つのグループに分かれ、ファシリテーターから出された”What is the University of Tokyo?”というお題に対する答えを、それぞれが持ち寄った雑誌のテキストを切り抜きそれぞれのメッセージを作った。

プログラム

5min

ワークショップの説明

45min

グループワーク

10min

他のグループの作品を見る、まとめ

ワークショップの成果

受講者にとっては「メディア表現論」という授業で初めて参加したワークショップだった。水越伸教授によるメディアとは何かを考えるレクチャーに続いて開催され、メディアを異化することを手と口を動かしながら体感する機会になったのではないかと思う。”Workshop has power to defamiliarize our daily lives”という話があったが、最初はパラパラと雑誌をめくっていたのがだんだんと見出しや記事、その中の単語、文字、とオリジナルのテキストがなくなっていく様子はまさにdefamiliarization(異化)そのものだった。

ふり返り

このワークショップを念頭に前回の授業で雑誌(magazine)を持って来るよう指示したところ、いわゆる雑誌を持ってきたのはわずか2、3名(ファッション誌と女性セブン)で、多くは授業に来るまでに駅や大学構内で目にして取ったフリーペーパーやフリーマガジンや大学案内を持ってきた。英字新聞を持ってきた人もいた。学生にとって雑誌はもはやあえて買って家で読むものではなくなっていることの表れのようだった。日本語が得意ではない学生がいたので切り抜く雑誌の言語への配慮をする必要があったように思う。その点では英字新聞に救ってもらった感がある。
「Cut Ups!」は紙媒体があれば気軽にできるワークショップだが、そもそも雑誌や新聞紙を手にすることが少なくなっている中ではまずはそれぞれのメディアを改めて知る活動から入ることもできそうだ。

アイテム

雑誌、ハサミ、のり、模造紙

開催日時

2019年4月11日

場所

福武ホール地下2F 第一演習室

参加者・人数

20人
(情報理工系8名、学際情報学府 12名)

講師/ファシリテーター

水越伸(情報学環教授)、神谷説子(博士課程・TA)

原稿執筆:神谷 説子