Empowering International Students through the Use of ICT

This workshop included four individual workshop sections held over four days. These workshop sections aimed to explore the needs of international students in a language school. This is important due to the lack of support that has been provided to international students, and the limited efforts put forth to investigate their needs. International students not only experience cultural adaptation, but also have to adapt to new physical environments. During the process of their adaption, they have different needs depending on the different stages of their adaptation. Providing the appropriate support at the right time is critical for them, because if the support provided is misaligned to their needs, the support will reduce their motivation toward seeking help and therefore fail the subject. The subjects of this workshop were international students who had been living in Japan for less than three months, and those who had been living here for more than six months. This workshop adopted the methodology of a focus group interview to bring interactivity into the discussions. Members were motivated and stimulated by each other to bring each topic to a deeper level during each session. Rich and valuable data was collected during each session and members made a significant contribution and were empowered through sharing with each other.

企画の背景

 留学生のサポートが乏しい中、多くの留学生をサポートするためには、ICTは効率の良い手段と言える。しかし。留学生が来日し、日本の生活や文化に適応していくプロセスの中で、求めるサポートがその適応の段階によって異なり、時期によってもニーズが変化すると考えられる。すなわち、留学1カ月目の学生と1年目の学生が求めるサポートは異なる。そのため、彼らに提供するサポートも彼らのニーズに応じて柔軟に変え、彼らがその時期に求めるニーズに合わせていく必要がある。
 本ワークショップは、ICTを活用して留学生に必要とされるサポートを提供するために、当事者である留学生とともにこの課題をディスカッションし、どの時期にどのようなサポートを求めているかを明らかにすることを目的とし、得られた結果を現代社会イノベーションプロジェクトの一貫として作成している留学生のメンタルヘルスサポートWebサイトに応用していくことを目指す。具体的には、留学生の来日時期に合わせ、必要とされる情報をWebサイトを通して情報発信する。

どんなワークショップ?

 本ワークショップは、来日3カ月未満と6カ月以上の留学生それぞれを対象に実施した。ワークショップは4回にわたって行った。1回につき、3〜6名の参加者に対して、実施者1人で進めた。
 以下のディスカッション・トピックに入る前に、まず実施者が自己紹介し、ワークショップの目的を明確に説明した。後に、参加者に簡単な自己紹介を求めた。必ずしも以下のトピックの順番に回答を求めたわけではなく、参加者の発言を十分尊重しながら、会話の流れに沿ってトピックを導いた。
1. あなたが日本に来て、これまで困っていたこと。困難を感じていたことは何ですか。ヘルプが欲しかったのはどういう時でしたか?                         
2. その時に、どうやって解決しようと思いましたか。どう解決しましたか?
3. こういうサポートがあればいいなと思ったサポートは何ですか。どういういうサポートがあればもっと助かったでしょう?
4. あなたは今どのようなことに困っていますか?
5. 今どうやって解決しようとしていますか?
6. 今こういうサポートがあればいいなと思うサポートは何ですか。どういういうサポートがあれば助かると思いますか?
7. 感想、言い残したことなど

プログラム

10min

イントロダクション(目的の説明など)

10min

インフォームドコンセント

10min

アイスブレイキング

90min

ディスカッション

10min

まとめ

10min

フィードバック

ワークショップの成果

本ワークショップは、フォーカスグループインタビューの手法を導入することによって短時間内で豊富なデータを収集することができた。また、違う属性の対象者グループを2グループずつ実施することによって、データの信ぴょう性を高めることができたと同時に、グループ間の比較が可能なデータ収集もできた。本ワークショップを通して、顕在的なニーズだけではなく、参加者同士の相互作用によってより深層的なニーズが見出された。さらに、困っていること、困っていたが助かったことを当事者同士で共有することによって、参加者のエンパワーメントにもつながった。

ふり返り

今回のワークショップは、限られた時間と参加者の中で特徴のある豊富なデータを収集するために、可能な限り最大限に工夫した。また、参加者主導のディスカッションとなり、留学生活を留学生同士で考える時間と場所が提供されたことによって、参加者はそれぞれが抱える困難などを語り合うことができ、本人たちのエンパワーメントになったことがわかった。
一方で、属性を重視したことによって、同じ属性の学生が決まった時間に集まらないこともあったため、参加者数のばらつきが生じた。この点を改善するために、今後属性と集まる人数のバランスを考えながら工夫していきたい。

開催日時

第1回
2015.10.21(水)
第2回
2015.10.22(木)
第3回
2015.10.28(水)
第4回
2015.11.25(水)

場所

日本語学校の学生相談室

参加者・人数

第1回 5人(来日3カ月未満)
第2回 4人(来日6カ月以上)
第3回 6人(来日6カ月以上)
第4回 3人(来日3カ月未満)
いずれも日本語学校に通う中国人学生

講師/ファシリテーター

ファシリテーター:
安婷婷(東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻 博士課程)

原稿執筆:安婷婷