Designing Agricultural Sensors Using Ink-jet Printing with Silver Nano Ink

In this workshop, participants could design their own soil moisture and water level sensors using rapid prototyping enabled by ink-jet printer with silver nano particle ink. As simple capacitive sensing is exploited for our moisture sensing, 2 conductive patterns separated by small gap can work as sensor electrodes. Therefore, there are various options on the electrodes design and potential that participants can come up with innovative ideas on the sensor design. During the workshop, participants sketched sensor patterns using PowerPoint and they printed them out on PET film using ink-jet printer. Then, they laminated the film for water proofing, cut its outline and put chip LED for moisture indication. Once the sensor film is ready, it will work as a moisture sensor by connecting to a measurement circuit that is used for a craft kit of soil moisture sensor “SenSprout”.

Unique and impressive designs are also important when we consider consumer version intended to be used by hobby farmers or gardeners, while currently available agricultural sensors mostly focus on toughness and ease of use. Thus, including consumer side people on the designing process through such workshop will be helpful to figure out attractive designs for possible users. In addition to that, some electrical engineers were joined to the workshop and they could give practical ideas on sensor design.

Through the workshop, all 17 participants could implement some sensor films and 13 participants could design their own patterns while the time was quite limited. There are several designs related with plant like plant pot, leaves and root which is also considered as the motif of original “SenSprout” sensor but designs that imply some company or product logos or animals were also proposed. These outcomes of the workshop should have interesting variety and inspiration on the soil moisture sensor design.

Since time is limited, it might be difficult to finish up all the implementation in time and there was no enough time to share and evaluate ideas each other. For further improvement, we would need to brush up the implementation processes to be accomplished more quickly and may need to ask participants some preliminary works.

The workshop was generally enjoyable for participants, gave impressive outputs and imply valuable aspects on sensor design. It would be interesting to iterate similar workshops with other participants.

企画の背景

本ワークショップでは低価格農業用センサに用いるセンサ電極の新しいデザインを検討し、試作・試用を行いつつアイデアをブラッシュアップし、独創的かつ実用的なセンサデザインを考える。現在流通している土壌水分センサは設置の容易さ、耐久性などの実用性を重視し、フォーク状の形状をしたものが主流となっているが、家庭内の園芸など小規模に行う場合は実用性だけではなく、デザイン性も求められるので、先入観にとらわれず自由な発想でデザインすることが重要である。LED表示型の簡易土壌水分センサで用いるセンサ電極及び表示部分は銀ナノインクを用いたインクジェット印刷およびペンを用いることでラピッドプロトタイピングが可能で、ワークショップの限られた時間の中でも試作できる。そこで、そうした技術を用いて試作する中でより優れた性能を発揮したり、これまで想定していなかった用途や意匠が発見されたりといった効果を期待した。

どんなワークショップ?

本ワークショップでは、まず参加者にラピッドプロトタイピングツールの使用方法・センサ電極として用いるための要件や、試作例をいくつか示して、作成方法を習得してもらった。参加者の電気回路設計に関する知識に差があることを考慮し、試作例に沿って作成するグループ、コネクタ部以外を銀インクペンで作成するグループ、PowerPointを使って図面を作成し印刷して作成するグループ、の3グループに分かれてセンサ作成を行った。チップLEDの接着など、難しい工程については適宜スタッフが補助を行った。完成したセンサは水に浸して適切な動作ができるかを確認した。また、途中具体的に現在使われているセンサのデザイン、農業用センサに求められる条件などを紹介し、設計の参考にしてもらった。うまく動作させられない例も残念ながら発生してしまったが、期待以上に様々なデザインのセンサが作成された。最後に成果物を参加者同士で共有してまとめとした。

プログラム

18:30 - 18:40(10min.)

概要説明

18:40 - 19:00(20min.)

ツールの解説・紹介

19:00 - 20:00(60min.)

センサの試作・検証

20:00 - 20:10(10min.) 

農業用センサの実例紹介

20:10 - 20:40(30min.)

センサの試作・検証

20:40 - 21:00(20min.)

作品の発表・共有

20:40 - 21:00(20min.)

クロージング

ワークショップの成果

本ワークショップの開催にあたっては、参加者が限られた時間でセンサ作成が可能かどうか若干の懸念があったが、実際に作成してもらったところ、電気回路設計の基礎知識の備わった参加者については、全体に向けた説明で十分に作業が進められていた。また、作成されたデザインも、期待以上に手の込んだデザインのものが作成され、キャラクターをモチーフにしたものなど、設計上の制約条件も多い中で多様なセンサデザインが得られた。さらにチップLEDの下に配線を通す、コネクタ位置をセンサ中央部に配置するなど、これまでの設計で考慮していなかったレイアウト例もあったため、今後の設計に役立つ学びも得られた。

ふり返り

設計に関する知識がある参加者がスムーズに作成に取り組めた一方で、電気回路になじみのない参加者も少なからずおり、そのような参加者に自由に作成してもらうのは困難で予め印刷したサンプルを使って工作する形をとることになった。自由にデザインしてもらうことこそできなかったが、難易度別にグループ分けしたことで、背景知識の有無にかかわらず、最低限センサ作成の体験は楽しんでもらうことができた。2時間程度の作業時間内で、完成度を高めることは難しく、全体としてスケジュールが予定よりも遅れたため、発表・共有の時間が少なくなってしまい、デザインしたセンサの評価や意見交換が充分にできなかった点は改善すべき点であった。一方で、延長した作業時間で完成にこぎつけられた例も少なくなく、その中にこだわったデザインのものが複数含まれていたため、作業時間延長が参加者の満足度や制作物のクオリティに貢献した面もある。
同様のワークショップを今後開催するにあたっては、参加者に事前にある程度の準備を行ってもらったり、手間のかかる作業(LED接着)などを簡易化する方法を考えたりして、センサのデザインを工夫するところに注力できる環境の整備が必要であると感じた。
作成されたデザインとしては、クラフトキットで採用している葉っぱ状のセンサ同様、鉢植えや根など植物に関係するモチーフを採用したものがあったが、キャラクターやロゴなどをセンサとして活用するアイデアもあり、特定の方向性に限定されない作例を得ることができた。

アイテム

銀ナノインク インクジェットプリンター、ラミネーター、導電性接着剤、3色チップLED、銀ナノインクペン、図面作製用PC(参加者持ち込み)、SenSprout簡易土壌水分センサ クラフトキット、カッター、ハサミ

開催日時

2016.11.15(火) 18:30 - 21:00

場所

SONY Creative Lounge (品川 ソニー本社ビル内)

参加者・人数

17名
(電気・情報系のエンジニアバックグラウンドのある会社員など。チケットサイトPeatixで募集)

講師/ファシリテーター

桜庭康人(SenSprout株式会社 マネージャー)
宮元直也 (SenSprout株式会社 エンジニア)
繁田亮(東京大学大学院情報理工学系研究科 博士課程)

原稿執筆:繁田亮