Psycho-Educational Program app "kokoro stretch"for Preventing Depression in Worker
To maintain and enforce body and heart health ,it is expected that not only specialist but also all employees have mental health literacy and self-stress management skills.
・ Due to the above reasons many compnies conduct psycho-Educational training for mental healthcare. The purpose of this Workshop is finding a point for improvement in the mental health app”kokoro-stretch” through using of the application.
企画の背景
近年、企業におけるメンタルヘルス対策では1次予防(未然防止)が重視されている。本ワークショップでは、働く人のうつ予防を目的としたiCBT(インターネット認知行動療法)サービス「ココロ・ストレッチ」の実装に向け、オンライン上で行う心理援助に関して検討を行った。「ココロ・ストレッチ」は、ユーザーがアプリの利用を通して、セルフケア力、ストレスに対処するレジリエンスを育てながら、うつの予防を目指す。各ユーザーには専属の心理アドバイザーがつき、状態に応じたフォローを受けられる。効果研究(ランダム割り当ての比較試験)の結果、サービス利用群は、利用していない群と比べて、うつに対するリテラシーは有意に上昇し、モニタリング力・不安を対処するコントロール力は有意ではないものの上昇がみられた。利用後のアンケートより、個人で継続利用することの難しさなどが挙げられ、ハード面のみならず、利用者に対する丁寧なサポートといったソフト面の充実が重要であることが示唆された。
どんなWS?
本ワークショップは、「ココロ・ストレッチのユーザー体験」→ワークショップ(利用者体験を踏まえたグループ・ディスカッション)→「ココロ・ストレッチの心理アドバイザー体験」を行い完結する形式をとった。ワークショップでは、(1)サービスの実装化に向け、①利用者にとって「役に立つ」「使える」ツールにするために必要なこと②サービスを通して出来る、心理的援助の可能性や方法について検討を行って頂くこと、(2)異なる立場での体験を行うことで、援助者のねらいと利用者ニーズ間で発生するギャップ及びそのメカニズムを把握することをねらいとした。
プログラム
(1) | 「ココロ・ストレッチ」ユーザー体験 12/3(月)-12/14(金) | |
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(2) | ディスカッション 12/15(土) | |
10min | はじめに (主催者挨拶、WSの趣旨説明) | |
30min | WSの趣旨説明 (ココロストレッチの趣旨説明(①開発の背景②アプリの内容説明③課題の共有④質疑応答) | |
10min | 休憩 | |
60min | 体験① (ユーザーとして、サービスに関する意見交換 10分×6テーマ 利用者の立場から改定をしたいところ等) | |
30min | ランチタイム | |
60min | 体験② ( 心理アドバイザー機能の検討と発表 15分×4テーマ ユーザーに継続利用をしてもらえるアプローチ等) | |
10min | 全体のまとめと質疑応答 | |
10min | 心理アドバイザー体験のご案内 | |
(3) | 「ココロ・ストレッチ」心理アドバイザー体験 12/17(月)-12/29(土) |
ワークショップの成果
以下、継続利用してもらうための心理支援に関する改善点 (抜粋)を中心に掲載する。
■心理士の対応
・即日対応が必要。今聞きたいのに返信がないのでは使わない。
・即時対応にはThの人数が大切になってくる。ネットで対応するセラピスト集団を作る必要性感じる
・アドバイザーについても、年齢、性別、趣味、顔のイラストを載せて身近に感じられることが大事。(ラポールの形成のために)
■サービスのハード面について
・RPGのようなログインボーナス機能・キャラクターを育てるなど、ゲーム感覚で使えるになるような仕掛けづくりあると楽しい。ゲーム会社との連携はどうか。
・LINEなどでリマインダ・bot機能あるとよい。
・デザインのカスタマイズ機能あると愛着を持ちやすい。(自分のアプリという感覚、自分のオリジナルという感覚がほしい)
ふり返り
(1)開催にあたって:相談会で先生方から様々な視点から有意義なアドバイスを頂けたことに感謝すると共に、ワークショップの企画・運営という体験自体、今後の実践活動に向け多くの学びを得ることができた。参加者の方々に「来てよかった」と感じて頂くためには、コンテンツはもちろんのこと、事前準備や座席配置、実施後のフォローなど多岐に渡って工夫や配慮が必要であること、これら1つひとつの変化によって、当日の雰囲気も異なることを肌で感じることが出来た。また、各ディスカッションや質疑応答が想定よりも延長し、その場その場で柔軟さが求められることも痛感した。(2)ワークショップの内容について:本ワークショップでは、医療・福祉・学校あらゆる領域で活躍する心理専門職から、オンラインで行う心理援助の在り方について検討を行えた点で意義があったと考えられる。また、研究上検討を行いたいと考えていたサービスの伸ばしていけそうな強みや改善点について、より実践的なアイディアを頂くことが出来た。サービスに対応可能な心理士の育成など課題はあるものの、今回挙げられた意見を踏まえ、現場で役立つサービスを目指した改修を引き続き行っていきたい。
アイテム | ・プロジェクター |
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開催日時 | 12月15日(土)10:00-14:00 |
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場所 | 東京大学弥生キャンパス 弥生総合研究棟 3F演習室 |
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参加者・人数 | 合計21名 |
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講師/ファシリテーター | 大井葉月 (教育学研究科 臨床心理学コース 博士課程3年) |
原稿執筆:大井葉月