How to apply self-monitoring to the daily lives of employees
In an industry-academia collaboration with a company, we are developing a self-monitoring system for workers. This system differs from conventional self-monitoring methods in that it (1) starts with familiar themes, (2) periodically checks short items, and (3) provides immediate feedback according to the answers. In this workshop, we wanted to extract what functions and contents could be added to the prototype system to make it more useful for workers in preparation for the actual operation of the service.
Company employees, psychology professionals, and graduate students participated in the workshop and discussed from various perspectives. The themes of the group work were “improvement of usability” and “contents of self-monitoring (feedback)”. The final output is shown in figure 1.
The ideas from this workshop are as follows.
(1) How to present the result graphs: Specific ideas were suggested as to what kind of information should be organized.
(2) Improvement of the questionnaire content: It was found that the desirable image was imposed too much.It was suggested that the questionnaire should be improved to show that the respondents were cared for.
It was suggested that the questionnaire should be improved to show that the respondents were concerned and cared for.
3) About feedback
– The amount of feedback: It was assumed that there were two types of people who felt the amount of feedback was too little or too much.In order to meet the needs of the two types of people, ideas such as using different URLs for the feedback were obtained.
– Feedback that makes people want to continue: An idea was raised that it would be good to focus on the positive and extend the content.
4) About the pathway to psychological consultation:The career counseling was suggested as an entrance to support people who needs sufficient care.
From the opinions expressed in the workshop, it was revealed that the original concept of this system needed to be revised. In addition, how to increase the sense of tailor-made was discussed, in order to encourage continuous use. It was also suggested that psychological counseling could be used in combination with this system to provide more comprehensive support to those who need it. Based on these opinions, the system will be modified in the future.
企画の背景
企業との産学連携で、働く人のためのセルフモニタリングシステム(自分の心身の状態を可視化し、自己調整を促すシステム)を開発中である。この背景には、withコロナ時代において、働く人が仕事や生活を自分自身で調整する力が求められているということがある。今回開発しているシステムでは、従来のセルフモニタリングの方法と異なり、①身近なテーマから始める、②定期的に短い項目でチェックする、③回答に応じた即座のフィードバックが得られるなどの特徴を持っている。今回のワークショップでは、サービスの実運用に向けて、プロトタイプのシステムにどのような機能や内容を追加すれば、より働く人の力になれるかを抽出したいと考えた。特に、こうしたメンタルヘルス関連のセルフモニタリングサービスでは、継続利用をしてもらうことや日常生活に生かしてもらうことが難しいと言われているため、これらを中心的なテーマに据えた。
どんなワークショップ?
企業に勤める会社員の方、臨床心理の専門職、学生をお呼びすることで、システムの改善案について多角的な検討を行なった。ワークショップ内で、実際にセルフモニタリングシステムを体験してもらい、そこで感じたことや気づいたことをグループワークでシェアする形とした。グループワーク①では、「ユーザビリティの向上」をテーマに、導入的なディスカッションを行ってもらった。グループワーク②では、それをさらに発展させ、「セルフモニタリング(フィードバック)の内容について」をテーマに、ディスカッションを行い、改善案を含めて広くアイディアを出してもらった。最終的な成果物は、figure1のようになった。ワークショップ参加の感想として、会社員の方は普段の働き方、臨床心理の方は日々の実践の振り返りになったと語られた。
プログラム
13:00〜13:10 | 主催挨拶 | |
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13:10〜13:20 | 参加者自己紹介 | |
13:20〜13:40 | システムの概要説明・質疑応答 | |
13:40〜14:00 | セルフモニタリングシステムの体験 | |
14:00〜14:30 | グループワーク① | |
14:30〜14:40 | 休憩 | |
14:40〜16:00 | グループワーク② | |
16:00〜16:15 | まとめ・振り返り |
ワークショップの成果
① 結果グラフの見せ方について:どのような情報が整理されていると良いか具体的にアイディアが出された。
② アンケート内容の改善について:望ましい姿を押し付けすぎているということがわかった。あくまで心配して寄り添っていることが伝わる内容に改善すべきとのアイディアが出された。
③ フィードバックについて:
– フィードバックの分量:少ない・多いと感じるタイプがいると想定された。二つのタイプの人に対応するために、URLを別にしてフィードバックをするなどのアイディアが得られた。
– 続けたくなるフィードバック:ポジティブに着目して伸ばしていく内容が良いのではないかというアイディアが出された。
④ 心理師への導線について:要注意な状態の人に対する支援の入り口として、キャリア相談があるのではないかというアイディアが得られた。
ふり返り
元々のコンセプトから見直す必要があることがわかった。今回のセルフモニタリングシステムでは、「自己管理ができること」を目的としていたが、それを押し出しすぎることによって、逆に利用者の心理的負担につながってしまっていることがわかった。場合によっては、セルフモニタリングをするほど、自分のネガティブな側面に注目が集まってしまい、しんどくなってしまうか、ドロップアウトにつながってしまう可能性が考えられた。ワークショップ内では明確な答えは出なかったものの、「見守り」というコンセプトを全体的な雰囲気としながら、緩やかに行動変容を促せるような内容に改定していく必要があることがわかった。
加えて、セルフモニタリングに基づくフィードバック内容について、オーダーメイド感が不足していることが明らかになった。それを補うため、「情報のカスタマイズ」、「具体的な行動レベルでの提案」、「生身の心理師が最後にコメントをつける」といった現実性の高い意見が得られた。特に、「内容を日々アップデートしていくべき」という意見は印象に残った。フィードバック内容を一度発案して終わりとするのではなく、その会社が持っている特性や、より広い社会背景を踏まえた内容に継続的に変えていく必要があると思い至った。
最後に、心理相談と組み合わせることで、包括的なサポートを実現できる可能性も示された。セルフモニタリングの内容も鑑みると、「キャリア相談」の位置付けで、心理相談を紹介するのがアクセス性を高めるのではないかという意見が出された。元々、本セルフモニタリングシステムは、オンライン心理相談に関する共同研究から、発展したものであるため、オンライン心理相談で扱う内容との連続性を踏まえた内容の検討を続けていく必要があると、改めて理解した。
今回のワークショップは、単回で参加人数も少ないものであったが、今後も利用者の声を反映しながら、よりよりシステムを構築していきたい。
アイテム | セルフモニタリングシステム(来年4月リリース) |
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開催日時 | 2021年12月5日 |
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場所 | Zoomを用いたオンラインワークショップ |
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参加者・人数 | 会社員:1名、臨床心理士・公認心理師:1名、臨床心理大学院生:1名 |
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講師/ファシリテーター | 内村 慶士(東京大学大学院教育学研究科博士課程3年) |
原稿執筆:内村 慶士(東京大学大学院教育学研究科博士課程3年)