Let's make funny images with Animacy Perception.
In this workshop, participants used the field of animacy perception, a branch of cognitive science, to create interesting images. The implementer is conducting animacy research and the workshop also served as a test of his own hypothesis.
The workshop consisted of two days and work time. The first day consisted of a lecture on animacy perception. During the work period, participants created images based on the lecture, and on the second day, they reviewed and voted on the images they had created.
The workshop produced a number of interesting images. These images strengthened the hypothesis of the implementers, and the data contributed significantly to the research activities. The participant questionnaire recorded a high level of satisfaction, indicating that the workshop was useful as a production-based workshop.
企画の背景
主催者はアニマシー知覚(生物ではない対象に生物らしさを感じる現象)の研究をしており、アニマシー知覚が強く感じられる条件の検討を行っている。本ワークショップは、今までの知見をレクチャーした上で、アニマシーが強く感じられる画像を制作する創作体験となっている。
アニマシー知覚が喚起される画像のなかには、閲覧者の興味を引き、著名な観光地になったりSNSで拡散されたりするものがあることが知られている。ワークショップ実施者は、このような“映える”アニマシー画像には2つの条件があるという仮説をいだいている。ワークショップ参加者はこの仮説に基づいて画像を作成することで、興味を引くような画像を制作することができるのかに挑戦した。
本ワークショップは、参加者にとっては認知科学の知見に基づいた創作体験することで、学びと楽しさを同時に得られる場であった。主催者にとっては自身のアニマシー知覚に関する知見を実践し、その汎用性を確認する機会となった。
どんなワークショップ?
本ワークショップは、Day1・作業時間・Day2の3部構成であった。
Day1ではアニマシー画像を作るうえで必要なアニマシーの基礎知識やアニマシー研究の仮説についてのレクチャーを行った。
作業時間では、参加者がおのおの時間を確保し、アニマシー画像を作成した。参加はカメラや画像編集ソフトを用いて、6枚の画像を制作した。
Day2では参加者間で品評会を行い、他の参加者が作成した画像の印象についてGoogle Formで投票を行った。その後、どのような画像からアニマシー知覚を感じたかのディスカッションを行った。ワークショップ実施者は品評会と並行してリアルタイムで分析を行い、実施者の持っている仮説検証がどのような結果になったかについて共有を行った。
プログラム
Day1 | ||
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15分 | 参加自己紹介 | |
35分 | アニマシー知覚についてのレクチャー | |
10分 | 質疑応答や作業時間についての説明 | |
作業時間:60分目安 | ||
Day2 | ||
20分 | 作業時間の感想について参加者間で共有 | |
20分 | 他の参加者の画像について投票 | |
15分 | 投票の結果紹介。表彰式 | |
5分 | クロージング |
ワークショップの成果
成果を3点に分けて紹介する。
・興味深い画像がいくつも生まれた
上記のイメージギャラリーに飾られているように、興味を引かれる画像が数多く生まれた。参加者は写真や美術のプロではなかったが、アニマシーのレクチャーを受けることで、成果画像を作成することが可能になった。
・参加者にとって満足度が高いワークショップだった
終了後のアンケートでは、ワークショップの満足度が8.5(10段階)と高い数値を記録した。
・実施者の仮説検証
投票と品評会の結果、「対象2つ以上ある」と「形状がある程度ヒトに似ている」の2条件が満たされると、興味を引く画像になりやすいことが示唆された。この点は実施者の仮説を補強するものであり、今後の研究につながる知見となった。
ふり返り
本ワークショップは、実施者の研究仮説に基づいて参加者が画像を製作するという内容であった。参加者はワークショップの内容および作成した画像について一定以上の満足を得ており、実施者も投票結果や品評を通して自身の仮説について考察を深めることができた。実施者、参加者双方にとって有益なワークショップになったと評価している。
参加者のアンケートでは、「WSを通して簡単な実験を楽しみながらできていい経験だった。」「自分の視線がかわり見ることの方略が変化することを実感しました。」といった回答をいただいた。アニマシー知覚の最先端の知見を用いたことで、参加者は非日常的な制作体験が可能になったと考えている。また、アンケートでは「参加者同士の交流が楽しかった」との感想もいただいた。オンラインだったが、参加者同士のディスカッションの機会を設けたことで、参加者の満足感向上につながったといえる。
Day2での投票と品評会から「対象2つ以上ある」と「形状がある程度ヒトに似ている」の2条件が満たされると、興味を引く画像になりやすいことが示唆された。これはワークショップ実施者の研究仮説を補強する結果となり、研究活動にも大きく貢献するワークショップとなった。レクチャーやディスカッションの部分をさらに洗練させ、同様の画像製作系ワークショップを実施していきたいと考えている。
アイテム | インターネット環境、スライドショー(パワーポイント)、GoogleForm、画像製作手段(カメラ、画像編集ソフト) |
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開催日時 | 2022年2月17日,2022年2月24日(各1時間ずつ) |
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場所 | オンライン(Zoom meetings) |
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参加者・人数 | 合計5名/前期課程1名,学際情報学府4名 |
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講師/ファシリテーター | 今泉拓(学際情報学府 学際情報学専攻 D2) |
原稿執筆:今泉拓