Think about being oneself with working people
Being oneself both in private life and at work is important to maintain mental health for working people. But they have mostly no opportunity to think about what being oneself is. Therefore, it is useful to provide them the opportunity for thinking about it through talking with other people working in different industries.
In this workshop, at first, participants are got to introduce themselves to each other to break the tension. Next, they took the lecture about the relationship among emotion labor, being oneself, and mental health. Then, they discussed two subjects: when did they feel that they were themselves in private life and at work. After that, they took the lecture on the research findings about sense of oneself for service worker and how to cope with stress in emotion labor. And then, they discussed what was important to be oneself at work and what kind of support they thought was necessary. Finally, we looked back on the workshop and shared their thoughts.
The results of this workshop are as follows.
1) Participants could realize the importance of thinking about being oneself. They gave feedback such as, “I will remember to be myself at work and keep reconsider what being oneself is continuingly,” “I had a good time to think about my career and working style,” and “I was so stimulated by interacting with other people working in different industries.” It seems they could have a positive experience in order to be themselves at work going forward.
2) The organizer could get some new perspectives such as sense of oneself in a side business. It was suggested that we had to keep considering being oneself at work in various ways of working. Also, it was indicated that sense of oneself could change over time, so we will need to consider the process in detail. In addition, the organizer could get some ideas about effective supports for working people.
The prospect of this workshop is to investigate what kind of effect continued participation in the opportunity like this workshop have on working people. If we can show the effectiveness of these opportunities, companies come to make the time for employee to think about working, and it leads to positive results such as improvement of awareness of career design, improvement of employee performance and enhancement of productivity.
企画の背景
近年、働き方改革が進められる中で、ワーク・ライフ・バランスや「自分らしく働く」ことの重要性が至る所で強調されている。1日の約3分の1以上を仕事に費やす社会人は、“私生活の自分”と“仕事の自分”を両立させることが求められ、それがうまくいかなかった場合に自分を見失い、心身の不調や離職に至る可能性があると考えられる。しかしながら、私生活でも仕事でも「自分らしくいる」とは実際どういうことなのかは十分に議論されておらず、社会人自身が考える機会もほとんどないと思われる。そこで本WSでは、社会人を対象に、自分にとって「自分らしく働く」とはどういうことなのかを改めて考えてみる場を提供することとした。参加者は、多様な職種・職場で働く参加者同士の交流や議論を通して、社会人としての自分について振り返り、自分らしく働くとはどういうことなのかについて考えること、企画者は「自分らしく働く」やそのために必要な支援について様々な視点からの意見を得ることが目的である。
どんなワークショップ?
まず、主催者の挨拶の後、WSの背景と目的の説明を行った。次に、参加者間の交流を促すため、参加者の自己紹介とアイスブレイクの時間を設けた。その後導入として、サービス職の特徴と自分らしさ・メンタルヘルスとの関係についてミニレクチャーを行った。そして、私生活や仕事で「自分らしくいる」と感じる時について考えるワークを順に実施した。それぞれのワークは、①個人で考え、②グループで話し合い、③全体で議論する形をとった。続いて、これまでの研究で見出されたサービス職における自分らしさと、感情労働におけるストレス対処法についてミニレクチャーを行った。最後のワークとして、今後自分らしく働いていくために重要なことや必要な支援について考える時間とした。そして、WS全体の振り返りとまとめを行い、全体を通して得た気づきを各々まとめてもらって終了とした。
プログラム
10min | 主催者挨拶/WSの背景と目的の説明 | |
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30min | 参加者同士の自己紹介/アイスブレイク | |
15min | ミニレクチャー①「サービス職とメンタルヘルス―自分らしさの観点から―」 | |
40min | ワーク① 「私生活で『自分らしくいる」と感じるのはどんな時?」 | |
[個人で考える(5min)→小グループで話し合う(20min)→全体で共有(15min)] | ||
15min | 休憩 | |
40min | ワーク②「仕事で『自分らしくいる』と感じるのはどんな時?」 | |
[個人で考える(5min)→小グループで話し合う(20min)→全体で共有(15min)] | ||
15min | ミニレクチャー②「自分らしく働くためには―これまでの研究から―」 | |
40min | ワーク③「自分らしく働くために大事なこと、必要なこと」 | |
[個人で考える(5min)→小グループで話し合う(20min)→全体で共有(15min)] | ||
15min | WSの振り返りとまとめ |
ワークショップの成果
参加者は、fig2-5に示すように、社会人としての自分について振り返り、私生活や仕事で「自分らしくいる」ことについて考えることができた。WS後のアンケートでは、「改めて自分のキャリアや働き方について考える機会となりました」、「『自分らしく働く』を忘れず、もう一度見つめ直してみようと思います」、「異業種異職種の方と話す機会も多くないので大変良い刺激になりました」といった感想が複数見られ、今後自分らしく働いていくにあたり有意義な体験ができたと思われる。
企画者は、自分らしさに関するこれまでの自身の研究結果を支持する意見に加え、副業における自分らしさなどの新たな視点や、社会人が必要としている支援についてのアイデアを得ることができた。
ふり返り
本WSでは、普段立ち止まって考える機会のない社会人を対象に、「自分らしく働く」を考える場を提供し、参加者・企画者ともに当初の目的に即した結果と以下の示唆が得られ、有意義なものとなった。まず、入社当初は仕事に重心が置かれ、新しい環境で土台を築いていき、2~3年で慣れてくると自分で模索しながら私生活と仕事のバランスをとっていくという、自分らしさの変化が語られた。このことから、自分らしさにおいても私生活と仕事を切り分けずに両立させることが重要であることが示され、自分らしさの変化のプロセスを詳細に検討する必要性を感じた。また、企画者はこれまで仕事=正社員の本業として研究を行ってきたが、今回のWSでは副業をされている方を対象にしたことで、本業と副業における違いや、参加者全員が裁量性の大きい副業の方が自分らしく働けると感じていることが明らかになった。今後も様々な立場・形態における「自分らしく働く」を考えていく上で、非常に有用な示唆であった。さらに、参加者はそれぞれ初対面かつ異職種同士であったが、アイスブレイク時から活発な交流が見られ、ワーク時にも積極的な意見交換がなされていた。今後自分らしく働くためにという話題でも、社会人同士の交流の機会やいろんな価値観を知ることができる機会があれば、という意見が多数あり、社会人に対する本WSの需要と価値を実感することができた。
本WSの展望としては、継続的に「自分らしく働く」を考えるWSに参加してもらい、社会人同士の交流や「自分らしく働く」を考えることが、その人の自分らしさや働き方、メンタルヘルス等にどのように影響を与えるか検討することが挙げられる。こうした機会が社会人にとって有意義であることを示すことができれば、職場でも仕事の一環としてこのような時間を取り入れてもらうことを提案できる。そしてそれは、社会人が自分らしく働くことや、一人ひとりのキャリアデザインやライフキャリアに対する意識の向上、ひいてはパフォーマンスや生産性の向上等につながると考えられる。
アイテム | PowerPoint、ワークシート、Zoom、インターネット環境 |
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開催日時 | 2022年3月13日 |
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場所 | Zoomでのオンライン開催 |
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参加者・人数 | 社会人5名 |
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講師/ファシリテーター | 谷 真美華(東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース 博士課程) |
原稿執筆:谷 真美華