Workshop for school support for children struggling with parent-child relationships

Inappropriate child care in general is called “Child Maltreatment (CM). Although CM is associated with psychological problems, the moderating effect of the school environment on CM has been confirmed. However, support for CM that maximizes recovery from the negative effects of CM have not yet been developed. Therefore, the planners aim to collect practical knowledge in schools for children struggling with parent-child relationships.

By inviting teachers from elementary and junior high schools, we were able to discuss from various perspectives the support that schools can provide to children who are struggling with the parent-child relationship. In the workshop, they shared their experiences, feelings and thoughts through exercises involving mock cases and worksheets. In addition, by sharing the teachers: findings, the workshop aimed to connect the academic and practical knowledge that has emerged from research.

The following five suggestions were made for providing support at school for students struggling with parent-child relationships.
(1) trust, (2) listening, (3) team setting, (4) setting goals as a team, and (5) creating a comfortable classroom.
The participants commented that the workshop provided a valuable opportunity for teachers to exchange opinions, as they rarely have the opportunity to interact with children outside of education, and that they would like to make use of this opportunity in their practice from now on.

 

企画の背景

子どもの生命には関わらないが,子どもにとって不適切な養育全般を「Child Maltreatment:不適切な養育(CM)」と呼ぶ。このCMと精神的な問題が関連し,長期的に子どもは苦悩する(Humphreys et al., 2020)。しかし,その影響を緩和するために,環境要因が重要であることが確認されてきた(Masten, 2001; Werner, 1989)。特に,子どもは学校で多くの時間を過ごすため学校要因の重要性が指摘されている(Cohen, 2011; 玉井, 2007)。学校要因に関して,安定した学校環境のCMへの緩和効果が確認されている(Khambati et al., 2018)。しかしCMの悪影響からの回復を最大化するCMへの支援が開発されていない。
そこで,本企画では,これまでの「CM」に関する研究で得られた知見を活用しながら,「CM」への学校における対応に関する実践知を収集する。参加者は,WSを通して親子関係に悩む子どもへの学校における対応に関する学術的知見と実践的知見を共有する機会を得ることを目的としている。企画者は,親子関係に悩む子どもへの学校における実践知を収集することを目的としている。

どんなワークショップ?

小中学校の先生方をお呼びすることで,親子関係に悩む子どもに対する学校でできるサポートについて多角的な検討をおこなった。ワークショップ内では,模擬事例やワークシートといった媒体を通して,これまでの経験やそのとき感じた気持ちや考えを共有していただいた。また,これまでの研究知見を共有することで,研究から生まれた学術値と実践知をつなぐことを行った。グループワーク①では模擬事例を提示し教員と児童と1対1でできるサポートについて,グループワーク②ではチーム対応が必要とされる模擬事例を提示し,組織としてできるサポートについて話し合っていただいた。最後にグループワーク③では,目標を定めた上で,個人でできるサポート,教室でできるサポート,学校でできるサポートについて話し合っていただいた。最終的に,学校内で多次元的なサポートにまで発展するような議論を展開することができた。ワークショップの参加の感想として,普段教育以外で教員と子どもと関わる場面が少なく,意見交換ができる貴重な機会となり明日の実践に活かしたいと語られた。

プログラム

14:00~
①10min

自己紹介,アイスブレイク,グループ分け
・教師歴
・これまでにあった学校であった嬉しかったこと
・座右の銘

②20min

グループワーク1:模擬事例①に関するディスカッション
【個別的対応】
・模擬事例の子どもに教職員としてどう声かけて対応するか
・学校現場で実際にあった事例への個別的対応例

③20min

グループワーク2:模擬事例②に関するディスカッション
【環境調整】
・模擬事例の子どもために教室全体でできる工夫
・学校現場で実際にあった事例への組織的取り組み例

④20min

講義:研究から得られた講義とグループワークのまとめ
・親子関係に悩む子どもへの教師からのソーシャルサポートの効果
・親子関係に悩む子どもへの学級風土の効果
・親子関係に悩む子どもの発達と性格

⑤10min

休憩

⑥20min

グループワーク3:学校で個別的に組織的にどんな対応ができるかのリストアップ化と事例①と②に対する「教材コンテンツつくり」
ワークシートの準備と穴埋め形式と自由記述形式にする
・一対一で
・教室内で
・学校全体で

ワークショップの成果

親子関係で悩む児童生徒に対する学校での支援に対して以下の5つが提案された。
①信頼関係:家庭で褒められていない子どもも多く,普段できていることを意識して評価することが提案された。
②話の聞き方:多くの教員が聞き取りに入るとプレッシャーになる,教室で話を進めると委縮してしまうため,話を聞く教員を設定して,落ち着ける個室で話すことが提案された。
③チーム設定:実践すると教員同士でぶつかることもあるため,事前に役割分担しておくことが提案された。
④チームとしてのゴール設定:各教員の思いをすり合わせ,どこまでを目標とするのか予め決めておくことが提案された。
⑤居心地のよい学級づくり:子どもが見てもらっているという感覚が持てる居心地が良いと感じる学校や学級づくりを目指すことが提案された。

ふり返り

本企画を通して,多様な背景を持つ小中学校の先生方にこれまでの知見を共有するとともに先生方から現場での経験に基づく意見や感じていること,今後に向けた取り組みの方向性について話し合っていただいた。
まず,WS企画全体に関して,先生方と研究者である実施者が知見の共有をすることを通して,普段漠然と学校現場で感じていることが明確に言葉になることで自信が持てたという意見をいただいた。また,研究者自身も生成した知見が現場にそぐわないものであるかもしれないという不安が,払拭され,さらに考察が深まったように感じた。
さらに,WSを終えて,先生方から「現場の先生方と教育以外の話をしてつながれる機会があってよかった」「このWSで私たちが日ごろ感じているモヤモヤを話して,癒されたように子どもも家庭でのもやもやを話すことできっと癒されるという体験ができてよかった」「明日からの実践にも活かしたい。また機会があればこのようなWSに参加したい」と言っていただけた。WSを通して,知見を共有し,新たな知見を生成することが第一の目的であったが,入念に準備を重ねた上で,実際に話し合うことにより,思いもしなかった効果が発揮することがWSの魅力であることを実感することができた。
最後の本企画で機能した点,今後の展望について振り返りたい。本企画では,自己紹介の時間を長めにとり,テーマを設定することで各参加者の個性を引き出し安心して話すことができる場を設定することにつながった。さらに,模擬事例やワークシートを使用することで,ブレインストーミングの枠組みができ,先生方の経験や,多様な意見がでやすくなったように考える。また,今後は,ブレインストーミングに加え,抽出した意見をKJ法や付箋等で整理し,まとめる時間を設けることがより効果的なWSにつながることが示唆された。これらの点を活かし,今後も研究と実践をつなげるようなWSを継続的に行っていきたいと考える。

アイテム

Zoom、パワーポイント、ワークシート,Zoom、インターネット環境

開催日時

2022/2/27

場所

Zoomを用いたオンラインワークショップ

参加者・人数

小学校教師1名,中学校教師2名,中学校講師1名

講師/ファシリテーター

柳百合子(東京大学大学院教育学研究科博士課程2年)
アシスタント:臨床心理学コース博士課程学生1名

原稿執筆:柳百合子・アシスタント