Community Design Workshop in Obuse Town Designing Community Resources in a Rural Area

Obuse town is a very small town located in the northeastern part of Nagano Prefecture. The town center is famous for its beautiful streetscapes and the open community garden established as part of local machizukuri (community design) activities. The town attracts over one million visitors every year.

In the surrounding area, there are beautiful landscapes of apple, chestnut and peach orchards.

But recently the town is suffering from many problems such as an aging population, increasing abandonment of uncultivated land and vacant houses and declining community activities.

We held a workshop there and invited member of Laos National University to attend. The objectives of this workshop were as follows: 1) To understand the current situation and problems of small cities in Japan; and 2) To get a new perspective on small cities in Japan.

Although it was only two and a half days, we felt it was a meaningful opportunity to explore the city and its surrounding area, interview local people, and discuss the situation with people from diverse backgrounds.

企画の背景

工学系研究科都市工学専攻・小泉研究室では、2016年度より長野県小布施町と地域資源を活用したまちづくりに関する共同研究を行い、空き家調査等を進めている。一方で、2017年2月には、異なる文化的背景を持つ、あるいは他分野の人たちからまちづくりの提案を得ることをねらいとして、Laos National Universityを招待し、ワークショップを行った。ここでの経験がLaos National Universityにとってたいへん有益だったと評価を受け、今年度も企画したものである。

どんなワークショップ?

1日めには、東京大学にてオリエンテーションを行った。

2・3日めは長野県小布施町を訪れ、まちあるき、地元の方へのインタビュー、食事をとりながらの交流、Laos National Universityによるプレゼンテーション、議論、グループワーク、発表等の活動を行った。

プログラム

1日め
17:00-

WS オリエンテーション

19:00-

ウェルカム・パーティ

2日め
12:00頃

小布施駅に到着

12:30-13:30

昼食

13:30-17:00

まちあるき
・中心部
・周辺部(栗農家の方へのインタビュー)
・コミュニティスペースを運営する住民団体へのインタビュー

17:00-18:00

プレゼンテーション(小布施町役場にて) ・ラオスチームによるプレゼンテーション

19:00-20:30

夕食

21:00-

ゲストハウスにて、グループごとに今日のふり返り

3日め
9:00-12:30

グループワーク

12:30-13:30

グループごとに昼食

13:30-15:00

発表(小布施町役場にて)

16:00頃

小布施駅を出発

ワークショップの成果

  • 国、専攻が異なる3グループを構成(各グループ3~4名)し、議論・作業を行った。
  • 最終プレゼンテーションは、パワーポイントを使って各グループ10分程度(英語)とした。

3グループの提案タイトルは「Obuse Farming Wonderland」「Obuse Community Design Propoal: Young + Art」「OBUSE」である。いずれのグループも小布施町の現状と課題を的確に理解し、提案としてよくまとまっていた。一方で、短い時間の作業であったためアイデアレベルにとどまっていたものも見受けられ、もう少し作業や調査に時間を確保できればよかったかもしれない。

ふり返り

・2日半という短い期間であったが、まちあるきと地元の方へのインタビュー、そして多様なバックグラウンドをもつメンバーによる議論・交流など、有意義な機会であったと感じている。成果物も重要であるが、それ以上に成果物をつくる過程での議論やプロセスが各々にとって有意義であったと思われる。日本の地方小都市の現状と課題について理解を深められたのではないか。

・ワークショップ後に、参加した日本・ラオスの学生を対象にアンケートを行った。参加者の感想の一部は以下の通りである。興味の方向性はそれぞれ異なっていたと考えられるが、それぞれに学ぶべき点が多いワークショップだったと考えられる。

-「小布施町まちづくりの歴史、現場の農家さんのリアルな話、空き家を改善してコミュニティ形成をしている方の話などを現地で学び、小布施町から学ぶべき要素がたくさんあると感じ、地域共生社会を実現するための今後の各地での実施の取り組みに生かしたいと強く思います。自治体、地元企業、住民が関わりまちづくりを行う小布施町ですが、その中でも取り組みに格差が生じている対象や地域があると知ったので、地方と市内を繋ぎ循環ができていくような流れを生むためにワークショップで考えられたのも良い経験でした」

-「小布施町は住民主体で積極的に地域を盛り上げようとしていてとても興味深かったです。どのように住民同士がコミュニケーションをとり、議論をしてきたのかをより深く知りたいと思いました」

-「Very impressive. The workshop is compact at effective though it was taking place in a short period of time」

アイテム

模造紙、付せん紙、モバイル wifi

開催日時

2018.1.12 - 14(金 - 日)

場所

東京大学本郷キャンパス GCLラボ(1日め)
長野県小布施町(2・3日め)

参加者・人数

11名
(GCL生5名、都市工学専攻2名、Laos National University 4名)
教員6名
(日本4名、Laos National University2名)

講師/ファシリテーター

小泉秀樹(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 教授)
後藤智香子(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 特任助教)
近藤早映(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 特任助教)
新雄太(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 特任助教)
大宮透(慶應SDM・小布施町ソーシャルデザインセンター 研究員)

原稿執筆:後藤智香子