To see differences, to think how others feel

Remote work is spreading in Japan under the Covid-19 situation. On the other hand, the opportunity which interacts with people having diverse backgrounds is decreasing. In this workshop, we aim to share the event and opinion which participants observed under the Covid-19 situation and discuss the differences of each perspective. The workshop was composed of three sections and conducted online. Participants were asked to write and share the events regarding Covid-19 and their opinion about it on the memo. After that, they discussed what causes perspective differences on each opinion regarding the events. Furthermore, they discuss what kind of initiatives are needed to respond to the differences of position which individuals stand on. Mainly ideas discussed are the following: 1) Cohesion of relationship 2) getting to seek some value to all communication 3) recognition own assumption and paying attention to other groups, and 4) awareness of difficulty to notice the difference between groups.

企画の背景

Covid-19の世界的流行によりリモートワークの普及が進んだ。それと同時に移動の制限や、before コロナ時代ではごく普通に行われていた多様な背景を持つ人同士の交流機会が急速に失われている。コロナ禍では、人々のコミュニケーション方法の変化だけでなく、コミュニケーションを取る相手の幅も狭くなっており、自分とは異なる背景を持つ他者がどのようなことを経験し、考えているのかを認識する機会が限られている。本ワークショップは、参加者がコロナ禍で観測した出来事を共有し、それぞれの立場からその出来事がどのように解釈されたのか、解釈にどのような違いがあるのかを共有することを目的とする。

どんなワークショップ?

本ワークショップは大学生および大学院生を対象とした。オンラインミーティングにて、Jamboardを利用した約3時間のワークショップを行った。プログラムは大きく分けて次の3つのセクションによって構成された。
(1)自己紹介:参加者の持つ属性・立場の共通理解の形成
(2)コロナ禍の出来事とその意見の共有:それぞれが観測した出来事と、その出来事に関する意見の紹介
(3)参加者の立場・認識の違いについての議論:参加者内での認識の違いがなぜ起こるのか、またよりメタ的に参加者以外の属性を持つ人たちはどのような状況や認識なのかを議論

プログラム

10min

挨拶・趣旨説明・ホストの自己紹介

30min

参加者の自己紹介

30min

グループワーク

10min

別グループのスライドを見る

10min

休憩

40min

グループディスカッション

10min

グループ間の意見共有

15min

全体を通しての個人的な気づき

10min

クロージング

ワークショップの成果

参加者からの意見をいくつか紹介する
1. 関係性の凝集化:
既存の所属集団に対してはより帰属するようになり、自分と同じ属性を持つもの同士で集まりやすくなった。反面、自分の持つ属性とは異なる集団と新たに交流する場合、関係性のコストが高くなり交流自体が減少した。オンライン環境のアップデートにより気軽に交流することもできるようになった。しかし、ある集団に馴染まない・合わないと感じたらすぐにその集団からフェードアウトできるようにもなった。
2. コミュニケーションの目的化:
Beforeコロナの時代ならなんとなくできていた雑談が、オンラインコミュニケーションに移行してからはコミュニケーションに目的や価値を求めるようになっていることに気づいた。会話をするためにもアポイントメントなどの準備が必要になったこと、自分の裁量で扱える時間が大幅に増加したことで、コミュニケーションをとる時間に対しての価値を生み出さなければいけないと感じるようになった。
3. 自分たちの集団への気づき、他集団への関心:
スムーズにオンライン環境に移行できた自分たちはコロナ禍の影響をあまり受けていない、影響を受けていても自己実現などの高水準のニーズの部分だけなのだと気づいた。交流のある調査先の方達は仕事に直接影響があり、学生とは状況があまりにも違う。完全リモート作業かオフライン併用かどうかや、ライフステージによっても認識が全く違う。他世代の意見も聞いてみたい。
4. 集団間への違いを認識しにくい状況:
オンラインミーティングを利用しない集団があることに気づいた。オンラインによって、関係性を作りやすくなった面もあるが、関係性を深めることとは話が別だと気づいた。互いに配慮しすぎるあまり、コミニュケーション不足に陥っているのかもしれない現状がある。自分が新たな経験をすることで相手に対しての見方が変わることもある。

ふり返り

本ワークショップは、研究テーマをワークショップに応用するこという点で、今後の研究の展開を検討する上で非常に重要な経験だった。ワークショップのデザインとして、コロナ禍をテーマに学生という同一の属性を持ちながらも視点はそれぞれ異なることへの気づき、さらに自分たちとは異なる集団の視点への関心を向けるという計画通りに進行することができたと評価している。また、計画にはなかったが、ワークショップを通して認識の違いによって生じている現象や、それぞれの状況の違いに対応するためにはどのような取り組みが必要かについても議論が深まった。これは参加者がワークをデザインしていくというワークショップの特性を反映した結果だと考えている。
オンラインのワークショップという条件では話者が一人に絞られ同時多発的なディスカッションができないがJamboardによる平行作業でそれぞれの思考をオンタイムで表現できるようにした点も議論が深まった要因と考えている。今後は、学生だけでなくさまざまな世代や背景の方に対象者を拡大した開催や、特定の業種を対象に所属という垣根を超えた交流プログラムの開発を検討していく。

アイテム

PC (Zoom, Jamboard)

開催日時

2021年9月25日

場所

Zoom

参加者・人数

大学生・大学院生/ 8人

講師/ファシリテーター

田中慎吾(医学系研究科 健康科学・看護学専攻 D3)

原稿執筆:田中慎吾(医学系研究科 健康科学・看護学専攻 D3)