Information Systems Workshop

The Information Systems Workshop was held as part of the GCL lecture “Information Systems” (opened in the summer semester) as a GDWS A Large Workshop. On June 14, 2018, the first session of the workshop was held for about one hour and two teams were formed. On June 28, 2018, the second session was held for about one hour. Afterwards, each team undertook planning, prepared the requirements definition and external design, and finally submitted a request for proposal of their information system. Each team had meetings in addition to their classes and conducted investigations, held discussions and did document writing. The final symposium for presenting their activities was held as a competition among the requests for proposal on July 19, 2018.

企画の背景

情報システム論ワークショップは、毎年グローバル・クリエイティブリーダー講義III(情報システム論)に付随して開催しているワークショップである。情報システム論の中で、情報システムの経営戦略・企画、提案依頼、要求定義、ソフトウェア開発、プロジェクトマネージメントに関する講義の後、実際に情報システムの企画と提案をワークショップとして行う。最終的に、具体的な情報システムの提案依頼書を作成する。

どんなワークショップ?

GCL 講義「情報システム論」(夏学期)に付随したワークショップ(GWDS-A large)として開催された。2018年6月14日にワークショップの初回を開催し、3つのチームが編成された。6月28日にワークショップの第2回を開催した。以後、各チームは情報システムの企画・要件定義・外部設計を行い、最終的に提案書(Request For Proposal)を提出した。各チームは、授業以外にも集まり、調査・議論・文書作成等を行った。活動の結果を報告する発表会は、提案書の審査会(コンペ)として7月19日に開催された。

プログラム

[6.7授業において課題が出される]
1日め(6.14)

チームを結成し、各チームにおいて課題に対す

2日め(6.28)

システムの具体的なかたちを検討

3日め(7.19)

提案書の審査会(コンペ)

ワークショップの成果

[救急医療相談システムチーム]

以下のような機能を持つアプリの開発が提案された。1.スマートフォンアプリという親しみやすいUI、2.全国で使用できるという場所の非制限さ、3.精神疾患についてこれまでのデータや、アプリの使用に伴って得られるデータを学習し、精神疾患への対応力を高める機能。これらの機能に加えて使いやすさの観点から、「119」や「#7119」にワンタッチでつなげられる機能、自身の症状について項目の選択やフリーワードによる入力、適切な病院の提案、医療従事者に伝える「項目リスト」の表示などといった機能の実装が提案された。

[食堂における混雑緩和システムチーム]

本システムは、フードコートや食堂といった形式の閉空間における混雑解消を目的とする。システム導入後の目標は、より多くの人が混雑時間帯に食堂を利用できるようにすることである。現状における計画は、

– 食堂の全座席における使用/未使用を検知する

– 空席状況を入り口付近のモニターに表示する

– 席の利用に制限時間を設け、時間が近づいたり制限時間に達した際にはそのことを利用者に伝える

以上の3点を満たすシステムを設置することである。

[児童虐待対応連携システムチーム]

児童虐待の予防、把握、解決を目的とした連携のため、東京都福祉保健局を中心として、都内に11ある児童相談所、公立の保育所、幼稚園、小中高等学校間でネットワークを構築するシステムを提案した。2名の学生が作成した児童虐待に関するレポートがこのプロジェクトの原案となった。まず、システムに要求する項目をメンバー各自で考え機能要件として書き出し、システム全体図のイメージをすり合わせながら、調達仕様書や提案依頼書を作成した。

ふり返り

[救急医療相談システムチーム]

本活動において、課題と考えられた点を2点挙げる。1点目は、情報共有のための場の不足であった。全員でミーティング等をすることができる日程を調整できず、また専攻が同じ3名のメンバーについても都合の合う日時がなく、十分に情報を共有する時間を確保することができなかった。日程の調整や、情報共有の方法については課題があったと考えられる。2点目として挙げられるのは、仕様書等の資料の書式に対する不慣れさである。慣れない単語や文の書き方をするにあたって、本チームが思い描くシステムをそのまま書類に落とし込むことに困難が感じられた。この点については、勉強不足の他に1点目の情報共有の場の不足が影響した可能性もある。

[食堂における混雑緩和システムチーム]

利用者は混雑した状況の中で、空席を探さなければならない。空席は管理されておらず、不規則に存在するため、混雑した状況下ではとてもわかりづらい。大量の人が押し寄せる時間帯はその混雑への対処として通常の時間帯より多くの人員が割かれたり、その時間帯の給与を引き上げたりする方策が用いられ、人件費コストが必要以上にかかっていることが多い。混雑時は30分以内など短時間での利用を呼びかけているが、実態として長時間滞在する利用者が一定数存在するという問題がある。混雑が原因で利用者が減ってしまうことに対してこの問題の影響力は大きい。

[児童虐待対応連携システムチーム]

各チームメンバーの意識のすり合わせが難しい。たとえば、システムの導入先の認識が共有されないまま作業が進められ、ディスコミュニケーションが生じた。作業にかけられる時間や労力が限られる状況で、メンバーに欠員が出てしまうと作業計画を見直さなければならず苦労した。同時にチームプロジェクトを進める上での体調管理の必要性を痛感した。システムが動くために必要な最低限の機能すら把握できていなかったため、自分のイメージを技術者に伝える大変さを感じた。今回対象とした課題に精通する臨床心理学コースの学生の問題意識を基に、そもそも児童虐待の現状を知らない(どちらかというとシステム方面に詳しい)メンバーがシステム構築の方向性を考えるという、実際の調達に近い状況でグループワークを進めた。

アイテム

インターネット環境

開催日時

2018.6.14(木)、6.28(木)、7.19(木)

場所

東京大学本郷キャンパス GCLラボ

参加者・人数

13名
(教育学研究科総合教育科学専攻9名、情報理工学系研究科電子情報学専攻1名、工学系研究科電気系工学専攻1名、農学生命科学研究科農学国際専攻1名、医学系研究科健康科学・看護学専攻1名)

講師/ファシリテーター

山根基(非常勤講師、ピースミール・テクノロジー株式会社)
萩谷昌己(東京大学情報理工学系研究科 教授)

原稿執筆:萩谷昌己